ダイエットの方法は数多くありますがよく耳にするのが朝食を抜く(もしくは食べる)という方法でしょう。
人気の理由は、激しい運動をするよりは簡単そうに思えるから、ということがあるかもしれません。
いくつかの研究では実際に朝食を抜く(または食べる)ことが減量にとって効果的だというものもあります。
しかし朝食以外の要素もあり決定的な結論は出ていません。
今回オーストラリアのモナッシュ大学のチームが行った研究は、朝食の有無が体重の増減には関わりがないことを発見しています。
“朝食”をとるかどうかは、ダイエットを望む人にとってあまり重要ではない可能性があります。
朝食は体重減少とほとんど関わりがない
研究者はBMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)の1月30日号に、朝食を食べることが体重減少に役立つという考え方や、朝食を食べないことが体重増加を促進する、という考えを裏付ける強力な証拠は見つからなかったと発表しました。
むしろ研究は、朝食を食べた人たちが日中により多くのカロリーを消費し、朝食をとらなかった人たちよりも体重が増えていたことを発見しています。
研究者は、過去の朝食と体重に関する13の研究結果をもう一度精査しています。
その中には短期間で行われていたものや、作為的なものも含まれていました。
また研究方法も、参加者全ての総カロリーに焦点をあてたものもあれば、朝食と体重との関係だけに絞ったものなど様々でした。
こうした雑多な結果も含めた上で見出した結論は、「朝食の有無は体重とは関係がない」というものでした。
細かい部分を見ていくと――
朝食を食べた人は食べなかった人よりも、1日平均260キロカロリー多く消費していました。
朝食を食べた人は食べなかった人よりも、研究期間の終わりに体重が約0.44キログラム増加していました。
朝食をとらない人たちが日中に空腹感を感じ、余計に多くのものを食べその結果体重が増える、といった証拠は見当たりませんでした。
これは過去の13の研究の平均なのでばらつきはありますが、数字だけを見ると朝食とダイエットにはあまり大きな関連性があるようには見えません。
朝食を食べたところで増える体重は、ほとんど誤差といってもいいレベルです。
研究者たちは、過去の研究結果は被験者たちの生活習慣――喫煙やアルコール、健康的な食事や定期的な運動など――について考慮していない部分があると指摘し、“朝食”という行為が体重の増減に影響を与えるとは言えないと結論づけています。
朝食を食べたい人は無理をしないで食べよう
ロサンゼルスにあるロナルドレーガンUCLAメディカルセンターのシニア栄養士Dana Hunnes氏は、朝食を抜くことは体重減少にとって有意性があるとは言えないと述べます。
そして朝食を食べた人とそうでない人との体重差が0.44キログラムしかなかった今回の研究結果を挙げ、ほとんどの人にとって朝食をとらないというダイエット方法は推奨できないとしました。
もしあなたが朝食を食べたいのならその習慣を変えることはおすすめしません。同様にあなたが朝食を食べるのが好きでないのなら無理に食べることもありません。
Hunnes氏は、朝食と体重減少に関する研究はもっと長い期間――例えば6か月から1年――をかけて行われるべきだとも付け加えています。
ダイエット方法を探す人たちにとって重要なことは、簡単にできて絶大な効果が望めることです。
朝食を抜く、という行為は一見簡単に見えます。
しかしそこに効果がないのだとしたら、我慢した分身体には負担がかかり、心理的にも辛くなるのは確実です。
朝食を抜くのはストレスを抱えるだけで、ダイエット効果を生まない可能性があります。
食べたいときには食べたほうが、結局は身体と健康のためになります。
Source:LiveScience