お茶やチョコレートに含まれる「フラバノール」 血圧を正常に保つが効果は限定的

雑ネタ
(Chijui Yeh/Unsplash)

イギリスの2万人以上を対象にした研究は、お茶やココア、チョコレートなどに含まれているフラバノールが、血圧の改善に役立つことを明らかにしています。

 

フラバノール (フラバン-3-オール)」はお茶やチョコレート、リンゴ、赤ワインなどに含まれている化合物で、古くから健康に良い成分として知られてきました。

一方で、最適な摂取量についてははっきりしておらず、具体的な効果を疑問視する声もあります。

 

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フラバノールの効果は劇的なレベルとはいえない

 

アメリカの大手食品会社マースの資金提供を受けた研究は、イギリスのノーフォークに住む25,618人を対象に行われました。

研究の参加者は、日々の生活の中でフラバノールの入った食品を口にする回数を記録し、また定期的に尿のサンプルを提出しました。

その後科学者が、自己申告と尿から得られたデータを元に、フラバノールの摂取量と血圧との関係性について分析を行いました。

結果、フラバノールの摂取量が多い上位10%の人たちは、下位10%の人たちと比べて、血圧の数値がより正常であることがわかりました。

血圧の数値の開きは、喫煙の有無や日々の身体活動の強度にほとんど影響されず、フラバノールの摂取量が多いグループは、一貫して血圧の数値が正常の範囲にとどまりました。

研究者は、血圧を安定させるフラバノールの力について、健康によいとされる「地中海食」に匹敵するものであるとしています。

 

Scientific Reportsに掲載された研究の著者の一人で、英国レディング大学の栄養士であるグンター・クーヌル氏は、「フラバノールの効果は高血圧の人ほど顕著であり、また男性よりも女性のほうがより強く影響を受ける」と説明する一方で、「フラバノールを多く摂取することで血圧を直接改善できるかどうかについては、さらなる研究が必要だ」と述べています。

またクーヌル氏は、フラバノールを含むチョコレートについて、「効果を得るには大量に食べなければならない」と述べ、「健康のため」という理由での摂取は現実的ではないと指摘しています。

 

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研究結果は、フラバノールの摂取を勧めるものではありません。

データから確認された血圧の差は統計的には有意でしたが、最大でも4mmHg程度の違いしかありませんでした。

研究者は、「フラバノールの摂取と心血管疾患による死亡との間には、関連性はない」としています。

 


 

 

かなで
かなで

フラバノールを摂取しても血圧の数値はそんなに変わらないんだね

しぐれ
しぐれ

糖分や脂肪の多いものを食べると効果がなくなる可能性もあるみたいだよ

 

Reference: The Guardian