SNSとその影響力について調査している研究者は、投稿のトップに使われる画像によって、読者の内容の理解度が大きく異なることを発見しています。
ソーシャルメディアの投稿に使われる画像は、必ずしも文章の内容を反映したものではなく、単に注目を集めるためだけに採用されるケースがあります。
無数の投稿が溢れるSNSにおいて、人目を引く画像をトップに設定するのは定石です。
しかし本当に大事なことを知ってもらいたい場合、内容からずれた画像は、読者を混乱させるだけに終わります。
画像が文章の内容と一致しない場合、読者の理解度は低下する
米国オハイオ州立大学が行った研究では、子供を持つ若い親150人を対象に、SNSの画像が投稿内容の理解にどう影響を与えるのかを調べています。
親たちは、インスタグラム、フェイスブック、ツイッターなどに投稿された記事を6つ見せられました。
これらは過去に、実際のニュースサイトや医療機関などが投稿したもので、その内容は乳幼児の睡眠、毒物の危険性、自転車の安全に関するものでした。
6つの記事のうち3つは、トップ画像と内容が一致していましたが、残りの3つは関連性がそれほど高くはありませんでした。
研究者は視線追跡技術を使い、親たちが投稿のどの部分に注意を払い、またどれだけの時間を費やしたのかを記録していきました。
結果、トップ画像と文章の内容が一致している投稿は、そうでない投稿に比べて読む時間が長くなることがわかりました。
親が投稿に目をやった時間は、画像と内容が一致している場合で5.3秒、不一致の場合で3.3秒でした。
どちらの投稿も若い親たちに対し、子供を監督する重要性を訴えています。
しかし適切な画像が使われていない場合、親は文章の内容を正しく理解しませんでした。
実験後の聞き取り調査では、正しい画像を使った投稿を一秒見るごとに、理解度のスコアが2.8%増加することが明らかになっています。
画像が文章にふさわしくない場合、意図したものとは違う形で相手に伝わる可能性があります。
これは特に、医療や安全に関するメッセージの発信者が、画像を慎重に選択しなければならないことを意味しています。
研究を行ったオハイオ州立大学の公衆衛生の准教授であるリズ・クライン氏は、相手に正しい情報を伝えたいのであれば、「内容と画像をマッチさせることが重要である」と指摘しています。
研究結果はJournal of Health Communicationに掲載されました。

書いている内容が同じでも画像が違うと印象も変わるんだね

刺激的な画像を使ってもうまく伝わらないなら本末転倒……
Reference: Ohio State University