驚きの適応力!鳥の卵は生まれる前から情報を伝達しあっている

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Photo by Juan Emilio | Flickr

新しい研究によると、鳥の卵は孵化する前から他の卵と情報を伝達しあっています。

彼らは既に孵化した自分の兄弟や母親からのシグナルを受け取り、生まれ出る前からサバイバルスキルを身につけようと奮闘しています。

 

鳥たちの、孵化する前から始まっているコミュニケーション術とサバイバル能力は研究者たちを驚かせています。

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キアシセグロカモメの卵は卵同士で“会話”をしている

 

Image by Pezibear fromPixabay

 

Nature Ecology and Evolution誌に掲載された研究によると、日本にも渡来する渡り鳥である「キアシセグロカモメ」の卵は、周囲の音に敏感に反応し、巣全体にシグナルを送っていることがわかりました。

自然界では巣が天敵に狙われることは少なくありませんが、今回の結果は、鳥たちの巧みなサバイバル術が生まれる前から発揮されていることを示す一例です。

 

研究の主執筆者である、スペインのビーゴ大学のJose Noguera氏率いるチームは、スペイン北部の沖合にあるサルヴォラ島のキアシセグロカモメの繁殖地から卵を収集しました。

この地域は多くのキアシセグロカモメが生息する繁殖スポットですが、同時にミンクなどの天敵も存在し、成鳥はもちろん孵化したばかりの雛や卵にとって常に不安定な環境でもあります。

研究チームは、鳥や巣が潜在的な脅威にさらされている場所をあえて選ぶことで、キアシセグロカモメとその卵がどのように脅威に適応しているのかを明らかにしようとしました。

 

集められた複数の卵は保育器に入れられ、3個ずつ、2グループに分けられました。

そして1つめのグループの卵のうちの決まった2個が、毎日計4回外に出され、捕食者の発する警告音を3分間聞かされた後、保育器に戻されます。

一方もう1つのグループにはそうした音が聞こえない防音環境にありました。

 

警告音を聞かされた卵は保育器に戻されたあと殻の中で振動を繰り返すようになりますが、不思議なことに、残されていた警告音を聞かされていない卵も同じような動きをみせるようになります。

また彼らは防音環境にあった卵よりも孵るのに時間がかかり、孵った後の行動がより慎重なもの――かがむ頻度が増え、より音をたてないようになる――になりました。

さらに成長した雛が卵時代に警告音を聞かされていた場合、そうでない雛に比べ、より危険察知能力が高いこともわかりました。(音に敏感に反応にすぐ逃げるようになる)

 

そして生物学的な調査結果は、警告音にさらされていた雛たちの身体にいくつかの変化が現れたことも明らかにしました。

殻の状態で危険に接していた雛(伝達を受けた卵を含む)は、そうでない雛に比べてより高いストレスホルモン、細胞あたりのより少ないミトコンドリアDNA、および、より短い足を持つ傾向がありました。

これらの結果は、警告音にさらされた卵だけでなく、その卵と接触した別の卵も同じ情報を何らかの方法で共有していることを示しています。

 

研究者は「この結果は、キアシセグロカモメの胚が、捕食の危険性に関しての貴重な情報を彼らの兄弟と交換することを明らかにしたものだ」と語っています。

 


 

Noguera氏は、この現象はキアシセグロカモメだけでなく、他の鳥類でも起こる可能性があるとみています。

今後は、雛が孵る前に巣の中にいくつの卵があるのかや、それらが外部環境に関する手がかりを拾うためにどんな影響があるのか、などを調査する予定だということです。

 

雛同士が危険を伝え合うのは何となくわかりますが、それが卵の中にいる時でさえ行われているというのにはびっくりしてまいます。

卵同士がどうやって“会話”をしているのでしょう?――生き物の適応性というのは本当に不思議なものです。

 

 

References:mnn,ScienceAlert

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