アメリカの非営利環境団体コンサベーション・インターナショナルは、ペルーで発見された新種のヘビに、俳優のハリソン・フォードにちなんだ名前をつけたと発表しました。
イリノイ・ウェズリアン大学の生物学者であるエドガー・レーア氏とペルーの科学者チームは、ペルーのアンデス山脈にあるオーティシ国立公園で遠征を行い、山頂にある峠道で日光浴をしている一匹のオスのヘビを見つけました。
ヘビは、長年環境保護活動に携わり、現在コンサベーション・インターナショナルの副会長を務めている俳優のハリソン・フォード氏に敬意を表し、「Tachymenoides harrisonfordi (タキメノイデス・ハリソンフォルディ)」と名付けられました。
A team of researchers trekking through an alpine swamp in the high in the Andes Mountains spot ambers eyes peering out of the rushes…
— Conservation Intl (@ConservationOrg) August 15, 2023
The eyes belonged a snaked that is named Harrison Ford. Or at least it is now. pic.twitter.com/lzGCw3tEqV
インディ・ジョーンズはヘビ嫌いとして描かれましたが、フォード氏本人はそうでもないようです。
フォード氏は自分の名前がつけられたヘビについて、「このヘビは溺れそうな目をしながら、一日の大半を汚れた水のあるプールサイドで日向ぼっこをしている。おそらく私たちは60年代には友人になっていただろう」と述べ、独特の言い回しで親近感を表現しました。
フォード氏の名前を冠した種は、今回のヘビが初めてではありません。
1993年には、カリフォルニアで発見された新種のクモに、「Calponia harrisonfordi (カルポニア・ハリソンフォルディ)」の名が、2003年には新種のアリに、「Pheidole harrisonfordi (フェイドール・ハリソンフォルディ)」の名がつけられています。
ヘビが見つかった場所は、地球上で最も開拓されていない草原の一つで、ほとんどの場合ヘリコプターでしかアクセスできません。
レーア氏を中心とした科学者チームは、「ペルーのコカインバレー」と呼ばれる危険なエリアに入り、麻薬カルテルに監視されながら山頂を目指しました。
遠征は、途中で命の危険が生じたことから予定より早く切り上げられましたが、今回のヘビに加え、これまで知られていなかった滝や沼地、そしてトカゲの一種も発見するなど、大きな成果をあげました。
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新種の発見は、保護を必要とする種を特定するのに役立ちます。
コンサベーション・インターナショナルによると、地球上の生物のうち爬虫類は特に脆弱であり、全体の5分の1以上が現在絶滅の危機に瀕しています。
フォード氏はヘビの発見について、「これは、野生の世界についてまだまだ学ぶべきことがたくさんあること、そして人間が信じられないほど広大な生物圏のほんの一部でしかないことを思い出させてくれるものです。この惑星ではあらゆる運命が絡み合っており、今まさに100万の種が忘れ去られようとしています。私たちには、自然との壊れた関係を修復し、生命を維持する場所を保護するという実存的な使命があります」と述べています。

このヘビは大きくても40センチくらいで、人間に害はないんだって

有名人の名前がつけばいろんな人に注目してもらえるね
Reference: Conservation International