ヤモリの動きがスゴイ!水の上だって走っちゃう超絶運動能力!

動物

ヤモリという生物については好き嫌いがありますよね。

見た目がダメという人もいれば可愛くてペットにしている人もいます。

でもとりあえずいろんな意見は脇に置いておくことにして、今回はヤモリの持っているスーパー運動能力について見てみたいと思います。

 

「嫌い」が「好き」に変わるかどうかはわかりませんが、ヤモリについて少しでも知っていただければ嬉しいです。

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ヤモリはクライミングエキスパート

 

 

ヤモリは足の裏に50万本もの小さな毛(繊毛・せんもう)が生えていて、それにより垂直な壁やガラス面などあらゆる表面に張り付き移動することができます。

よく家の壁に張り付いているのを目撃しますね。

彼らはその見た目のせいで敬遠されがちですが、基本的には臆病で人間に危害は加えません。

 

食性は動物食で昆虫やクモなどの節足動物を主に食べます。

夜行性なので遭遇する機会が少ないですが、反面見つけたしまったときのインパクトはなかなか強烈なものもあります。

しかし彼らは害虫駆除の専門家なので、見かけたらなるべくそっとしておいてあげてくださいね。

 


 

またヤモリはイモリと間違えられたり、どっちがどっちなのかわからないという人も多いです。

分類上は、ヤモリは爬虫類、イモリが両生類になり、基本的にはヤモリは水を好みません。

一方イモリは日本語では「井守」とも書くように水の中で生活します。

 

しかし今回ある科学者が旅先で奇妙な現象に遭遇したのをきっかけに、ヤモリの持つ運動能力が脚光を浴びることになりました。

 

シンガポールで目撃されたそのヤモリは、敵から逃れるために「水の上を走っていた」のです。

 

水蜘蛛の術

 

 

かつて忍者が使ったとされる水面を歩く忍術「水蜘蛛」ですが、ヤモリはその特殊な足の形状で水の上を走ることができます。

 

カリフォルニア大学バークレー校の生物物理学者ロバート・フル氏を中心としたチームは、メンバーの一人が撮影した水の上を高速移動するヤモリの姿に驚きます。

常識的にはヤモリの身体の大きさで水面を走ることは不可能だと考えられていたからです。

 

自然界には水の上を歩くことのできる生き物がいくつか存在しています。

例えばアメンボは極端に軽量であるため表面張力を使って水に浮くことできます。

しかしヤモリの場合それにはあてはまりません。

 

映像を確認したチームはヤモリが足を水に叩きつけることで浮いていることを確認します。

しかしそれだけで水に浮くのは従来の理論ではありえないことです。

またヤモリの皮膚は水をはじく性能がありますが、それを表面張力として使用するにはいささか身体が大きすぎます。

 

ヤモリが水に浮くためには、足を叩きつける以上の何かが必要になるはずです。

 

実験

 

チームは大型のプラスチック製の箱に出入口を作りそこに水を入れました。

そして側面と上方に高速度カメラを設置しヤモリの動きをモニタリングしました。

 

するとヤモリの動きには考えていたよりも複雑なメカニズムが存在していることがわかりました。

 


 

ヤモリは水面を走る際に身体を上方に向け水に浸からないようにします。

同時に足先についている繊毛と、水をはじく皮膚の助けを借りて身体を持ち上げます。

また水泳のようにくねくねと身体と尾を揺らし泳ぎます。

 

Image:Gecko Running on Water—Dorsal View, Related to Figure 2-Geckos Race Across the Water’s Surface Using Multiple Mechanisms

 

上から見ると水の中を泳いでいるようにも見えます。

しかし側面からのカメラではヤモリの足と身体は気泡により完全に水から離れています。

 

Image:Gecko Running on Water—Sagittal View, Related to Figure 2-Geckos Race Across the Water’s Surface Using Multiple Mechanisms

 

チームによると叩きつける動作と足の繊毛、そして撥水性の皮膚の持つ表面張力との組み合わせがこの動きを可能にしているのだといいます。

 


 

しかし表面張力は体重の重い生物にとって微々たるものでしかないはずです。

ましてやヤモリほどの大きさではほとんど意味がないのではないでしょうか。

 

そこで今度は水に界面活性剤を加えた実験を行いました。

界面活性剤は石鹸や洗剤に含まれる成分で、水に加えると分子の粘着性を失わせ表面張力の効果を減少させることができます。

もしヤモリが足の繊毛と叩きつける動作だけで水の上を走れるのならば、界面活性剤を足したとしても影響はないはずです。

 

Image:Gecko Moving in Soap and Water Mixture—Sagittal View, Related to Figures 2 and 3-Geckos Race Across the Water’s Surface Using Multiple Mechanisms

 

結果は――上の図のように界面活性剤を加えた水ではヤモリの水面歩行は困難になりました。

進むスピードがかなり遅くなり、何匹かのヤモリは沈んでしまいました。

(ヤモリは普段は水の中に入ることはありませんが、沈んだとしても数分間息を止めることができます)

 

この実験によりヤモリの撥水性の皮膚も水面歩行に影響を与えていることがわかりました。

 


 

ヤモリの水面歩行を可能にしているのは次の4つの要素になります。

 

足を水に叩きつける動作
足の裏についている繊毛
水をはじく皮膚の持つ表面張力
くねくねとした身体の動き

 

これらの複雑なコンビネーションがヤモリの身体を水に浮かべているのです。

何気ない動きにもすべて意味がある……ヤモリってすごいですね!

 

How do geckos walk on water?

ヤモリが水面を走る姿を見ることができます。YouTube:How do geckos walk on water?

 

メンバーの一人でオックスフォード大学とロックフェラー大学の生物物理学者であるジャスミン・ニロディ氏は、この実験には大きな意味があるといいます。

 

水面を移動するヤモリのメカニズムは、将来水没地域での救助活動ロボットの制作につながる可能性があるのです。

 

「自然は私たちに本当に多くのことを教えてくれます」とニロディ氏は語りました。

 

 


 

 

私たちの知らない世界で生きている様々な生物から、人間にとって有用な何かを学べるというのは本当にすごいことです。

くねくねと高速で動く救助ロボットが完成したらぜひ見てみたいものですね。

自然と生き物に感謝!

 

 


 

 

 

かなで
かなで

わーい!ヤモリだよー!

しぐれ
しぐれ

こっちはイモリさんだよー♪

せつな
せつな

む、向こうに行ってもらってもいいですよ……なんなら私が出ていきますが……

かなで
かなで

ヤモリ可愛いよー!それー!

しぐれ
しぐれ

あ!イモリさんがせつなちゃんの方に――

せつな
せつな

あ゛~!た゛す゛け゛て゛~!

 

 


 

水の上を走るヤモリの意外な運動能力についてのお話でした。

読んでいただきありがとうございました!

 

 

References:Geckos’ new superpower is running on water; now we know how they do it,Geckos Race Across the Water’s Surface Using Multiple Mech

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