オーストラリアのアデレードに住む家族が、クリスマスツリーにしがみつくコアラを発見しています。
アマンダ・マコーミックさん一家は2日の水曜日、短い外出のために家を空けました。
午後6時頃家に戻ると、クリスマスツリーが飾られている部屋に異変が起きていました。
床には至る所に装飾の小物が散乱し、先に部屋に入った犬は、辺りの匂いを嗅ぎまわりました。
様子がおかしいことに気づいたアマンダさんがクリスマスツリーに目をやると、そこには一匹の“本物の”コアラがいました。
(Credit: Amanda McCormick)
コアラが家に侵入できたのは、家のドアが開いていたためです。
外出の際、最後に家を出たアマンダさんの16歳の娘テイラーさんは、犬が外に出れるようにドアを少し開けたままにしていました。
コアラは家族がいない数時間の間にどこからかやってきて、家に入り込んだものと思われます。
一家が戻ってきた時、コアラは葉や装飾品を食べようとしていました。
クリスマスツリーは本物の木ではなく、葉も食べられるものではありません。
アマンダさんはコアラが見かけによらず凶暴であることを知っていたため、野生生物の専門家に対処を依頼しました。
コアラのレスキューを行っているアデレードの慈善団体「1300Koalaz」のオペレーターは、アマンダさんの話をいたずらだと考えましたが、説明に説得力があったため、救助隊を家へと向かわせました。
救助隊が到着した際も、コアラはクリスマスツリーにしがみついていました。
コアラはその後、慎重にツリーから離され、近くの茂みに放たれました。
1300Koalazの創設者であるディー・ハーン-ヘロン氏は、コアラが家に侵入しクリスマスツリーにしがみついていた理由について、「外はそれほど暑くはなく、日陰を求めての行動ではありません。彼らは好奇心が強く、気になるものがあればそこに行くだけです」と述べています。
予期せぬ侵入者との遭遇についてアマンダさんは、今年が特に悪い年であった点に触れたうえで、「非常に記憶に残る良い経験だった」と述べています。
人間の生活圏にコアラが現れるのは、近年珍しい光景ではなくなりつつあります。
気温の上昇による山火事やそれに伴う生息地の分断、さらには車両との衝突や捕食者の攻撃など、コアラを取り巻く環境は年々悪化の一途を辿っています。
住む場所を失ったコアラは、食べ物と日陰を求めて、郊外にある家の裏庭や茂みにまでやってきます。
現在コアラはIUCNのレッドリストにおいて「危急種」に分類されていますが、専門家は最近の状況から、より危険な状態を表す「絶滅危惧種」への変更を検討しています。
コアラは3歳か4歳のメスだったんだって
クリスマスツリーに溶け込んでてかわいいねー
Reference: The Guardian