まるで恐竜の足!絶滅を生き残ったヒクイドリ

動物
A Southern Cassowary:Michael Schmid,Wikimedia Commons

6600万年前に起きた白亜紀の大量絶滅で恐竜は地球上から姿を消しました。

いまでは化石でしか当時の面影を連想させるものはありません。

しかし大量絶滅を生き残り脈々と種を存続させた動物たちもいます。

恐竜時代のフォルムをそのまま引き継いだヒクイドリもその中の一つでした。

 

スポンサーリンク

 

 

テキサス大学オースティン校のSarah DavisさんがTwitterに投稿したこの写真が、恐竜のものではないかと話題になっています。

彼女は大学で、絶滅した恐竜とその親せきにあたる鳥類の比較解剖を学んでいます。

 

とてもリアルで信憑性のあるこの写真は、実は恐竜のものではなくオーストラリアに生息する鳥、ヒクイドリ(Southern cassowary)のものです。

これは自然死したヒクイドリの足で、手との比較からかなりの大きさであることがわかります。

その太い足と鋭い3本の爪はまさに恐竜の足そのものです。

 

Davisさんは、この写真によって人々が鳥類と恐竜との類似性に気づいてもらえればと語っています。

 

 

 

 

スポンサーリンク

 

飛べない鳥ヒクイドリの強靭な肉体

 

ヒクイドリ A Southern Cassowary:Scott Hamlin,Wikimedia Commons

 

ヒクイドリは飛べない鳥で、同じような特徴を持つダチョウやエミューのようにかなり大きな鳥です。

体重は大きいもので80㎏以上、体長は2m近くにまで成長しその鋭い爪と強靭な筋肉で時速50kmで走ることができます。

この爪と脚力を生かした運動能力は、ときに相手にとって致命的になり過去には人間が襲われた例もあります。

 


 

またヒクイドリは、カサワリフルーツと呼ばれる毒性の果物を食べることで知られています。

人間や他の動物にとっては毒でも、ヒクイドリが食べてそれを排泄してくれることでカサワリフルーツは子孫を残すことができます。

熱帯雨林に生息するヒクイドリですが、近年は森林破壊や気候変動の影響で数を減らしているのが実情です。

 

スポンサーリンク

 

鳥類は今を生きる恐竜

 

 

Davisさんは大学の脊椎動物古生物学の研究室で、マネージャーのKenneth Bader氏の指示のもと写真のヒクイドリを解剖しました。

その目的はダチョウやエミューなど、ヒクイドリと同じく飛べない鳥たちの共通要素について学ぶことにあります。

エミューは分類上ヒクイドリと同じ系統ですが、ダチョウはまったく別の系統になります。

 

ヒクイドリの足が大きくそして恐竜的だったことはDavisさんの好奇心を刺激しました。

 

鳥は現在に生きる恐竜です。そしてその鳥たちは白亜紀に絶滅した恐竜と同じくらい興味深いものです。

 

Davisさんは、飛べない鳥たちが恐竜時代からどのような進化的経路をたどってきたのかを、その特徴的な足から見つけ出そうとしています。

 

 

 


 

ヒクイドリに比べると小さいものの、ニワトリやインコの足でさえ恐竜を連想させるフォルムを持っています。

白亜紀の大量絶滅で大型の恐竜は姿を消しましたが、鳥類と哺乳類は生き残りました。

そうして考えるならば、ヒクイドリの足が恐竜を連想させるのは不思議なことではないのかもしれません。

 

 

ヒクイドリの猛烈なキック力を見ることができます Ataque de Casuarius a su cuidador ESPECTACULAR

 

 

 

 

 

Source:livescience