消防車のサイレン音を真似るマグパイが出現、止まらないオーストラリアの森林火災による影響

動物
(Gregory Andrews/Facebook)

2020年に入っても依然続いているオーストラリアの森林火災は、野生生物たちの命と住処を奪うだけでなく、動物たちの生態にも影響を与えているようです。

絶滅危惧種委員会(threatened species commissioner)の元職員であるグレゴリー・アンドリュース氏は、オーストラリアで保護されているフエガラス科の鳥「カササギフエガラス――通称マグパイ(Magpie)」が消防車のサイレン音を真似する様子を撮影し、Facebookに投稿しています。

 

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マグパイは繁殖期になると攻撃的になることで知られています。

しかし州の法律で保護されているため基本的には駆除することができず、地元住民は毎年マグパイの被害に頭を悩ませています。

動画を投稿したアンドリュース氏は、サイレン音を真似るマグパイについて「これはこれまでで最もクールなことの一つである」と述べています。

オーストラリア博物館によると、マグパイは世界で最も複雑なさえずり方法を持つ鳥の一種であり、NSW政府はマグパイが犬や馬、そして人を含む35種類以上の生き物の声を真似することができると述べています。

(関連記事: 超攻撃的!サイクリング中の人間を襲う危険な鳥「マグパイ」)

 


 

ニューサウスウェールズ州(NSW)を中心に広がり続けている森林火災は、州全体で1,300以上の家屋を破壊し、野生生物の命と環境に大きな影響を与えています。

NSWでは今シーズンだけで、360万ヘクタールの土地が火災によって被害を受けました。

オーストラリア全体では数十年に一度とされる最悪の干ばつが起きており、気象局は昨年の12月、2019年の春が記録上で最も乾燥していた時期であったと発表しています。

また2019年の12月の熱波は全国の平均気温を押し上げ、一部の地域では40度以上の猛暑を記録しています。

 

マグパイがサイレン音を真似る動画を見たFacebookユーザーの一人は、これはマグパイの知性を示す驚くべき証拠であり、また気候変動の脅威を知らせる「炭鉱のカナリア」の別バージョンであると指摘しています。

その昔炭鉱労働者は、有毒なガスの発生による事故を防ぐために、カナリアを籠に入れて地下へと赴きました。

カナリアは優れた嗅覚で、人間よりも先に有毒ガスを察知することができます。

マグパイのサイレン音の模倣は、収束の兆しを見せない森林火災が気候変動によるものだと告げる自然界からのメッセージかもしれません。

 


 

 

かなで
かなで

マグパイは頭のいい鳥だからサイレンの音を真似るのも納得だねー

ふうか
ふうか

サイレンの音を覚えてしまうほど多くの消防車が出動しているということか。考えさせられる事態だな

 

References: CNN