ナマケモノに触れないで!野生動物を守るために始まったコスタリカの「自撮りストップキャンペーン」

動物
(Brian Gratwicke/Flickr)

一日中木の上でほとんど動かないナマケモノは、世界中で人気の動物です。

ナマケモノの絵や写真が印刷されたアイテムは数えきれないほどあり、インターネット上にはナマケモノと自撮りをした自慢げな写真が溢れています。

ネットやSNSの発展は人々の動物との接し方を劇的に変えましたが、それは野生の生き物であるナマケモノにも様々な影響を及ぼしています。

自国の熱帯雨林に生息しているナマケモノとその人気について、コスタリカのカルロス・アルバラド・ケサダ大統領は、「ナマケモノは非常にユニークな動物であり、人気の秘密には動きの優雅さがある」とする一方で、「人々はそれに憑りつかれている」と述べています。

 

世界的な人気により、コスタリカを始めとしたナマケモノの生息域には多くの観光客が押し寄せています。

観光客はナマケモノを抱き寄せ、満面の笑みを浮かべながら自撮り写真を撮ります。

しかしこの行為は、ナマケモノ本人にとって喜ばしいことではありません。

 

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野生動物との自撮り写真を撮りたい人が増えている

 

野生生物の保護や動物福祉を行っている非営利団体、World Animal Protection(WAP)は、インスタグラムに投稿された動物の写真の分析から、ナマケモノはブラジルから中央アメリカに至る広範囲で撮影されており、その70%が自撮りのために、まるで道具のように扱われていると報告しています。

ナマケモノは一日のほとんどを樹上で静かに過ごすため、観光客との接触や騒音は大きなストレスになります。

 

コスタリカの太平洋沿岸の熱帯雨林マヌエル・アントニオで、野生動物の保護活動を行っているサム・トゥルル氏は、「人々は自分の写真を撮ることに夢中で、ナマケモノを野生の生き物だとは考えていない」と述べています。

 

ナマケモノは木にぶら下がるのが大好き (Eric Kilby/Flickr)

 

マヌエル・アントニオのような熱帯雨林では、観光客に野生動物を触らせたり写真を撮らせたりして収入を得る業者が存在しています。

こうしたサービスの需要は、近年のSNSの普及によってますます増加し、多くの観光客を外国から呼び寄せる結果を招きました。

トゥルル氏は、「ナマケモノと写真を撮るために行われる金銭の取引は、人気のマイナス面である」と述べ、これらはナマケモノの生態にとって非常に危険なものになる可能性があると指摘しています。

 

現在新型コロナウイルスによる外出規制のため、マヌエル・アントニオのナマケモノたちは通常の生活を取り戻し、自動車事故や犬からの攻撃などにより命を落とすケースが激減しています。

 

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コスタリカの「動物との自撮りをやめよう」キャンペーン

 

コスタリカでは、許可なしに野生動物と接触することを10年以上前から禁じていますが、WAPが2017年に発行した世界動物保護報告書によると、コスタリカは野生動物との自撮り写真部門において、世界で7位にランクインしています。

この問題を深刻に受け止めたコスタリカ政府は、自国の野生動物とその生態系を守るために、動物との自撮りをやめることを促す「#stopanimalselfies」(ストップアニマルセルフィー)キャンペーンを立ち上げました。

 

 

キャンペーンに関わっている野生生物学者のシャーリー・ラミレス・カルバハル氏は、「野生の生き物との自撮りは、動物だけでなく観光客も危険にさらす」と述べ、具体的には、噛みつかれたり引っ掻かれたりすることで病気に感染するケースがあると説明しました。

また、「野生の動物が人間との接触や餌をもらうことに慣れてしまうと、深刻な事故に発展する可能性もある」とし、「観光客は動物本来の行動を乱すべきではない」と注意を促しています。

 

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トゥルル氏は、ナマケモノの魅力はその生活における絶妙のバランス感覚にあると話します。

そして、「ナマケモノはどのように生きるべきかを示す本当に良い例であり、私たち全員にとって素晴らしい模範である」と述べ、「もし人々がナマケモノのようであれば、世界には既に平和が訪れているだろう」と付け加えています。

 

人間が野生動物に接触することで、すでに一部の国立公園では、サルやアライグマなどが、虫歯や肥満、骨の問題などを抱えるようになっています。

コスタリカ政府は、野生動物との自撮りに関して8つの規則を設けるとともに、観光客に対し、違法行為を見かけたら報告するように求めています。

 


 

 

かなで
かなで

コスタリカは観光客に、ぬいぐるみを使って自撮りをするようにお願いしてるんだよ

しぐれ
しぐれ

野生動物に対しても距離を保った接し方が求められてるんだね

 

 

 

References:The Guardian

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