カナダの東海岸に位置するニューファンドランド島でアザラシの大群が現れ騒ぎとなっています。
アザラシは北部の町ロディックトン・バイドアームに出現し、その多くが川や海ではなく内陸へと向かっています。
アザラシが陸に上がること自体は珍しくなく、地元の住民にとっては日常的な光景です。
しかし今回のアザラシたちは水から遠く離れた場所にまで進出しており、こうした動きは過去に例がありません。
地元の釣りガイドでバーを営むブレンドン・フィッツパトリック氏は、行き場を失い疲弊しているアザラシの姿を撮影しています。
Seals at mouth of the brook in Roddickton. Wonder where’s DFO. Those seals been there for a few weeks. They are 4 or 5 miles from the ocean and they are probably starving. pic.twitter.com/A9RuA6Njln
— Brendon FitzPatrick (@BrendonFitzPat3) January 4, 2019
Few out for a crawl today pic.twitter.com/Qbb5pazTmD
— Brendon FitzPatrick (@BrendonFitzPat3) January 6, 2019
フィッツパトリック氏はアザラシについて、「魚を追っているうちに気分が悪くなったのではないか」と話しています。
この地域にはいくつもの小さな川があります。
アザラシは餌を求めて内陸部にまでやってきたものの、途中で川に戻れなくなり立ち往生してしまった可能性があります。
道路脇のアザラシ (Photo: Brendon FitzPatrick)
立ち往生しているアザラシ (Photo: Brendon FitzPatrick)
アザラシが内陸部にまでやってくるのは、北極圏の氷が融解していることと関係があります。
この地域はアザラシの主要な越冬地ですが、近年の温暖化の影響により氷が解けているため、一部の個体は氷ではなく陸地に上陸します。
彼らは餌を追って、川の周辺から徐々に人の住む地域にまでやってきます。
カナダの水産海洋省(DFO)は、今年の流氷が例年に比べて少なく、アザラシが陸地に上陸した可能性があると報告しています。
現在DFOの職員は、住宅地に現れたアザラシの回収作業に追われています。
また車との衝突事故も起きており、町は一種の狂乱状態となっています。
内陸に迷い込んだアザラシを助けるDFO職員 (Photo: DFO_NL)
無事に捕獲成功! (Photo: DFO_NL)
DFOの科学者は、「アザラシ自身も混乱している」と指摘し、取り扱いについては、「基本的にはそっとしておくべきだ」と説明しています。
また、触れたり攻撃されたりすることで感染症にかかる可能性があるため、住民に対し、「見かけたらDFOに連絡をとるように」と呼び掛けています。
DFOの職員によって回収されたアザラシは健康状態のチェックを受けたあと、海に戻されます。
アザラシ自身は氷の上にいると思ってるんだろうね
交通事故にあってるアザラシもいるみたいだから心配だね
Reference: SaltWire Network