米国サンディエゴ自然史博物館の研究者は、10年以上前に中国で発見された珍しい恐竜の化石を分析し、その結果を科学誌に発表しました。
「The Anatomical Record」に掲載された研究は、中国の旧熱河省で発見された1億2,000万年前の小さな鳥の化石が、現代の鳥類とは異なった体の特徴を持っていたことを明らかにしています。
“踊るドラゴン”の意味を持つ「ウロン・ボハイエンシス-Wulong bohaiensis」と名付けられたこの恐竜は、現代のカラスほどの大きさで、鋭い歯で満たされた頭部を持ち、腕の脚の両方に翼が生え、尾の端は2つに分かれ、全身が羽毛に覆われていました。
ウロン・ボハイエンシスの想像図 Image Credit: Erick Toussaint
研究者はこの鳥の羽が体に比べて大きいことに疑問を抱き、骨組織を調べるために化石から取り出した骨をスライスし顕微鏡で観察しました。
その結果、ウロン・ボハイエンシスは、死んだときにはまだ成長の途上にあったことがわかりました。
これはウロン・ボハイエンシスが体が大きくなるよりも前に翼を成長させたことを意味し、現代の鳥が十分な大きさになるまで立派な羽毛を持たないのとは対照的です。
これについて研究著者の一人でサンディエゴ自然史博物館の研究員であるアシュリー・プスト氏は、「この恐竜はまだ解明されていない機能のために大きな羽や尾を必要としていたのかもしれない」と話しています。
プスト氏は、ウロン・ボハイエンシスは翼の生えた多くの動物の起源と密接に関係していると指摘し、「このような標本を研究することで、太古の生物がたどってきた道を知ることができる」と付け加えました。
ウロン・ボハイエンシスが発見された旧熱河省周辺は、世界で最も保存状態の良い化石が見つかる場所の一つです。
この場所では、鳥類や翼竜、また“鳥のような”恐竜などが同じ環境中に生息していたことを示す多くの証拠が見つかっています。
プスト氏は、「これらの地域にはたくさんの飛行、滑空、羽ばたきがあった」と説明し、「鳥たちと初期の花のいくつかがあったならば、当時の世界はきれいなものだったに違いない」と話しました。
脚にも羽が生えててカッコいいねー!
長すぎる尻尾も何かの役にたってたのかな?
References: EurekAlert,CNN