シギ科の渡り鳥を専門的に研究しているGlobal Flyway Network(GFN)は、アラスカを出発した一羽の「オオソリハシシギ」が、これまでで最長となる、12,854kmの無着陸飛行を達成したと報告しています。
オオソリハシシギは長距離の渡りをする鳥として知られ、越冬の際には、アラスカから東南アジアさらには南半球のオーストラリアにまで移動します。
ルートによっては一度も着陸せずに飛び続けることもあり、2007年には11,680kmの無着陸飛行が記録されています。
13年ぶりの快挙を達成したのは、「4BBRW」と名付けられたオスのオオソリハシシギです。
GFNのGPSタグを装着した4BBRWは、9月16日にアラスカを出発し、11日後にニュージーランドのオークランドに到着しました。
4BBRWはアラスカを離れた後、すぐ南にあるアリューシャン列島に立ち寄りましたが、それ以後はオークランドに着くまでの間、ひたすら太平洋上を飛び続けました。
GPSの記録から、無着陸の飛行距離が12,854kmであり、過去最長になることがわかりました。
4BBRWの最高速度は、およそ時速88kmでした。
4BBRWの飛行ルート (Credit: Global Flyway Network)
4BBRWは太平洋をノンストップで飛び続け、最終的には陸地にたどり着きました。
しかし渡り鳥が、そもそも何を手掛かりに越冬地に向かっているのかはよくわかっていません。
この点についてGFNの科学者であるジェシー・コンクリン氏は、「彼らは自分が地球のどこにいるのかを知る能力を持っている」と述べています。
GPSの記録によると、同じ時期にアラスカを飛び立った他のオオソリハシシギも、4BBRWと同様足場のない太平洋を渡り、最終的にオーストラリア、ニューカレドニア、パプアニューギニアに着陸しました。
これは渡り鳥が越冬地について、おおよその見当をつけていることを表しています。
コンクリン氏は、オオソリハシシギの長距離飛行を可能にしている要素として、「効率的なエネルギー消費」と「ジェット戦闘機のようななめらかな体の作り」を挙げています。
オオソリハシシギは眠らないでずっと飛び続けるみたいだよ
地図もないのに陸地にたどり着けるなんてすごいねー
Reference: The Guardian