危急種から絶滅危惧種へ オーストラリアがコアラの保全状況を再検討

動物
(Paul Macallan/Unsplash)

オーストラリアのスーザン・レイ環境大臣は、国を象徴するコアラについて、「絶滅危惧種のリストに加えられる可能性がある」と明らかにしています。

 

オーストラリアでは昨年末に発生した森林火災により、多くの動物が犠牲になりました。

連邦政府は貴重な生態系を守るため、専門家に対し保護を必要とする種をリストアップするよう働きかけ、最終的にコアラを含む28の動物が選定されました

現在コアラは、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストにおいて「危急種」に分類されていますが、専門家の評価次第では危険度のステータスがさらに上昇し、「絶滅危惧種」になるおそれがあります。

どの種を優先的に保護していくのかについては、2021年の10月までに決定される見込みです。

 

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民間の動物保護団体は既にコアラを絶滅危惧種ととらえており、2019年から2020年にかけて起きた大規模火災によって、さらに深刻度が増したと考えています。

動物福祉団体「ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル」の二コラ・ベイノン氏は、政府のコアラへの対応について「歓迎する」としながらも、評価が明らかになるまでに時間がかかり過ぎると指摘し、「コアラがいち早く絶滅危惧種にリストアップされることを願う」と付け加えています。

また「国際動物福祉基金」のジョシー・シャラド氏は、「オーストラリアの東海岸に住むコアラは既に絶滅の危機に瀕しており、種を回復させるためには迅速な行動が必要である」と述べています。

 

ニューサウスウェールズ州は州内のコアラについて、生息地を保護するための介入を行わなければ「2050年までに絶滅する」と試算しています。

レイ環境大臣は、森林火災の影響が現在も続いていることから、「今後2年間で追加のプロセスを導入し、さらに多くの動物種の保全状況を評価していく」と表明しています。

 

政府は現在、地域ごとの保護活動を迅速に進めるため、国の環境法に基づく意思決定権を州に委譲する法案を議会に提出しています。

 

 

 


 

 

せつな
せつな

今年も世界各地で大規模火災が起こっている……

かなで
かなで

来年まで待ってたらコアラが絶滅しちゃうよー

 

Reference: The Guardian