昨年から続いているオーストラリアの森林火災は、現地に固有の多くの動物の生命を脅かしています。
動物を救うための活動が懸命に続けられるなか、オーストラリア当局は、“緊急な支援が必要な種”として113の動物をリストアップしています。
差し迫った絶滅の危機にあるオーストラリアの動物たち
2月11日、オーストラリア政府の「野生生物と絶滅のおそれのある種の森林火災復旧専門家委員会(Wildlife and Threatened Species Bushfire Recovery Expert Panel)」は、何百もの火災の影響を受けた動物種の中から特に緊急性の高いもの113種を選び、優先的に保全活動に取り組むよう提言しました。
報告のなかで委員会は、「歓迎すべき点としてこれらの種に絶滅は起きていない」としながらも、リストに載っているほとんどの種は、その生息地の30%を既に失っていると指摘しました。
リストアップされた動物は広範囲に及び、13種の鳥、19種の哺乳類、20種の爬虫類、17種のカエル、5種の無脊椎動物、22種のザリガニ、17種の魚の計113種が「緊急支援が必要である」と判断されました。
リストに入れられたカンガルー島に固有のフクロネコ科の動物「ダンナート」 (Image: Jean and Fred/Flickr)
委員会は、一部の動物に関しては生息地のほとんどが破壊されているため、「差し迫った絶滅の危機」にあるとしています。
また、「リストにあげられた種は火災以前には安全であったが、現在は生息地を失い、危険にさらされている可能性がある」とし、種の回復をサポートするための緊急介入の必要性を強調しています。
オーストラリアのスーザン・レイ(Sussan Ley)環境大臣は、今回のリストが暫定的なものであり、次回の更新では植物種と別の無脊椎動物が加わることになると述べました。
また一部の地域でいまだ火災が続いていることや地盤が安全でないことなどから、実際の被害の規模については限定的にしかわかっていないとしました。
レイ環境大臣は、「火災の被害を受けた場所で絶滅の危機に瀕した動物の目撃例はあるが、より詳細な評価を行うためにその地域に入るのはまだ安全ではない」と話しています。
オーストラリア政府は1月、野生生物とその生息地の回復に5,000万オーストラリアドルを投じることを確約しています。
資金は動物の治療や食料、害虫の駆除などに使われる予定です。

コアラとかワラビーだけじゃなくて、あまり知られていない動物も危険な状態なんだよー

昆虫や植物も被害を受けているから、早急な支援が必要だな
References: BBC