愛犬をどうやってしつけていますか?訓練方法によるストレスレベルの違い

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Image by BoutiqueBreizh from Pixabay

しつけは動物にとって重要です。

どれだけ可愛いペットであってもトイレの場所を間違えたり、誰かれ構わず吠えてしまったりするのは問題です。

ペットに対するしつけは飼い主の責任の一つです。

 

しつけにはいくつかの方法があり、ほめることによって行動を修正していくものや、罰を与えることによって行動を矯正していくものなどがあります。

犬にとってよりふさわしいのは、どの訓練方法なのでしょうか。

査読前の生物学に関する論文を掲載しているBioRxivにアップロードされた調査結果によると、犬のしつけに罰を与える方法を選択した場合、犬の精神状態に長期的な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

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訓練の仕方による犬のストレスレベルの違い

 

ポルトガルのポルト大学の生物学者アナ・カタリーナ・ヴィエラ・デ・カストロ氏を中心とした国際的な研究チームは、しつけの方法の違いが犬の精神状態にどう影響するのかを調べています。

犬のしつけに関する研究は過去にいくつか存在していますが、今回カストロ氏たちが対象としたのは、コンパニオンドッグ――すなわちペットとしての犬です。

警察犬や盲導犬などのしつけには、その仕事内容の特別さから「嫌悪訓練」が使用される場合があります。

嫌悪訓練はトレーナーに従わなかった場合に罰を与える方法です。

過去の研究では、嫌悪訓練を使ってしつけられた職業犬の多くがストレスを抱えたり、物事に対して悲観的になったりすることが明らかになっています。

一方ペットの犬に関しては、職業犬ほど厳密な訓練を必要としません。

しかし最近はペット事情の変化により、愛犬をより忠実で芸達者にしようと外部のトレーナーを雇うケースが増えてきました。

ペットのしつけの仕方はトレーナーによって異なるため、飼い主はしつけの方法の違いが愛犬にどんな影響を及ぼすのかについて知っておく必要があります。

訓練方法を知ることは、飼い主だけでなくペットの福祉にとっても重要です。

 

研究はポルトにあるコンパニオンドッグの訓練校から何頭かの犬を募集して行われました。

集められた犬は、報酬ベース(トレーナーの望むことをした場合に餌や遊びといった犬の喜ぶものが与えられる方法)のしつけを受けている犬42匹と、嫌悪ベース(従わない場合には怒られたり物理的なショックが与えられたりする方法)のしつけを受けている50匹の犬で構成されました。

研究では、3回のトレーニングセッションの最初の15分を観察し、その後各犬からストレスレベルを示すコルチゾールの分泌量を確認するため唾液を採取しました。

また比較対象として、自宅で飼われている複数の犬からも唾液を採取しました。

トレーニング中の犬の行動は事細かに記録され、あくびをしたり、唇をなめる、足を上げる、吠える、といったストレスの際にみられる行動がないかを重点的に調べました。

 

分析結果は、嫌悪ベースのしつけ訓練を受けていた犬はコルチゾールのレベルが高く、またトレーニング中のストレス行動も頻繁であることを示しました。

一方で報酬ベースのしつけ訓練を受けていた犬は、嫌悪ベースの犬に比べてはるかにストレス行動が少なく、コルチゾールのレベルも正常の範囲内でした。

 

嫌悪ベースの訓練方法は犬の精神面に長期的な悪影響を与える

 

Image by Katrin B. fromPixabay

 

嫌悪ベースのしつけをされた犬たちがストレスを抱えることはわかりました。

しかしそれは短期間で回復する種類のストレスでしょうか、それとも長い間犬の精神に悪影響を及ぼし続けるものでしょうか。

研究チームは追跡調査を行いました。

 

先の訓練を受けた犬たちが、1カ月後に再び別の実験に参加しました。

実験では餌の入ったボウルと入っていないボウルを部屋の両角にそれぞれ置き、犬たちに場所を覚えてもらいました。(餌には匂いが漏れないような工夫が施されています)

場所を覚えた犬は部屋に入るとボウルがどちら側にあるのかをすぐに理解することができました。

その後研究者たちはボウルの位置を部屋の中のランダムな位置に変え、犬たちが餌に対しどのような行動を見せるのかを観察しました。

 

結果は、1カ月前に報酬ベースの訓練を受けていた犬は、部屋に入った後、ボウルの位置が以前と違うことに気づいても躊躇することなくボウルに向けて走り出していきました。

一方嫌悪ベースの訓練を受けていた犬は、部屋の状況が異なることにストレスを感じ、ボウルに到達するまでに長い時間を要しました。

これは嫌悪ベースの訓練を受けた犬が状況の変化をストレスであると感じ、またこうした事態に――報酬ベースの犬のように楽観的ではなく――悲観的な感情を抱いていることを表しています。

ボウルには餌が入っているかいないかの二択であり、場所が変化したからといって何も恐れる必要はありません。

しかし嫌悪ベースの犬は、ボウルの位置の変化という小さな出来事にさえ身の危険を感じ慎重に行動することを選びました。

 

この行動の全ての原因が1カ月前の訓練にあったのかはわかりません。

しかし研究結果は、しつけの方法に犬が嫌がる方法をとった場合、犬がストレスを抱える傾向にあることを示しています。

 

カストロ氏は、嫌悪ベースの方法で訓練された犬はそうでない犬よりもより“悲観的”になりやすいと述べます。

 

これらの結果は、短期長期の両方において嫌悪ベースで訓練された犬は、報酬ベースで訓練された犬よりも悲観的であることを示しています。

 

カストロ氏はさらなる研究が必要だとしながらも、嫌悪ベースの訓練は犬の精神的健康に悪影響を与えるものだ、と語っています。

 

 

 


 

身近にある嫌悪ベースの訓練方法には、無駄吠えを防ぐために首輪に電流を流す「ショックカラー」が特に有名です。

この方法には賛否両論があり、動物愛護の観点から非難の対象になることもあります。

今回の研究結果は、犬も人間と同じように、痛いことや嫌なことには敏感に反応することを明らかにしています。

家族の一員としてのペットならばなおさら、飼い主は犬の福祉について学び、しつけにはストレスの少ない方法を選択するべきです。

 


 

 

かなで
かなで

犬も人間と同じで褒められて伸びるんだよー

しぐれ
しぐれ

ペットには優しく接してあげてほしいね

 

 

References:BioRxiv

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