初代Xboxの基本的な設計に携わっていた”Xboxの父”Seamus Blackley氏はTwitter上で、これまでに明かしたことはないと前置きした上でかつてのXbox部門のトップだったDon Mattrick氏について言及しました。
ツイートはDon Mattrick氏がXboxに対して懐疑的だったことを明かしています。
I’ve never talked about this before, but the irony of Don Mattrick as Xbox Chief was huge for me: when I first came to EA Canada to present the idea of a Microsoft console, he nearly blocked me from addressing the company because he didn’t believe it was possible. It was tense. pic.twitter.com/3pqRq4rGBL
— Seamus Blackley (@SeamusBlackley) 2019年3月4日
ツイートには初代Xboxの発売前にBlackley氏がカナダのEA(Electronic Arts)で売り込みをしようとしたところMattrick氏がそれを妨げたとあります。
Blackley氏は、Mattrick氏はそれが可能であるとは信じていなかったと述べ、また当時非常に緊張したことを打ち明けました。
このツイートへ返信した人の多くはMattrick氏がXboxやそのユーザーに近い存在ではなかったと評しています。
Don Mattrick氏はEAを退社した後2007年にマイクロソフトに入社、2013年までXbox部門でトップの立場にありました。
Xbox360の大ヒットを受けて発表された次世代ハードXbox OneをE3でお披露目したのはMattrick氏でした。
しかしXbox Oneは360のユーザーの期待とは裏腹にゲーム機ではなく総合エンターテインメント機として紹介されました。
特に”TV”という言葉と共にセットトップボックスとしての役割を自信ありげに紹介したMattrick氏はゲーマーたちの怒りと失望を買うことになりました。
またインターネット接続を必須としこれまでの物理メディアを保有するユーザーを切り捨てるかのような方針も多くの反感をもたらしました。
Mattrick氏の退社後はPhil Spencer氏が中心となり失われた信用を取り戻すべく精力的に活動しているのは周知のとおりです。
初代Xboxはマイクロソフトにとって初めてのハードで当時はそもそも発売すらされていないのでMattrick氏がそれについてうまくいかないだろうと考えたのも無理はないかもしれません。
彼に対する批判のほとんどはおそらく2013年でのE3に端を発しています。
総合エンターテインメント路線を推し進めたのが彼一人ということはないと思いますが責任を取るのもトップの仕事です。
いずれにしてもMattrick氏が、かつて受け入れなかったXboxというハードを自ら紹介していたというのはなんとも皮肉な運命を感じますね。
Source:Seamus Blackley,Twitter