ブルームバーグの報告によると、Ubisoftの「アサシンクリード オデッセイ」の主人公は女性のみとなるはずでした。
ブルームバーグのJason Schreier氏は、最近発覚したUbisoft内での性的嫌がらせや暴行問題について書いた記事のなかで、「アサシンクリード」シリーズの主人公の性別が、一部の幹部によって変更させられていた事実を明らかにしています。
女性を主人公にすることへの上層部の介入は、前作である「アサシンクリード オリジンズ」や「アサシンクリード シンジケート」でも起きています。
2018年に発売された「アサシンクリード オデッセイ」は、シリーズで初となる主人公の性別を選択できる作品で、男性は「アレクシス」、女性は「カサンドラ」という名前がつけられています。
しかし当初オデッセイの主人公はカサンドラ一人でした。
アレクシスは、Ubisoftの最高クリエイティブ責任者だったSerge Hascoet氏の指示によって後から加わりました。
Hascoet氏とマーケティング部門は「女性の主人公は売れない」と指摘し、男性主人公を追加するよう開発チームに求めました。
「アサシンクリード オリジンズ」では、主人公バエクの妻である「アヤ」が脇役の地位に追いやられました。
アヤは元々プレイアブルキャラクターとして作られており、物語の途中で命を落とすバエクに代わり主人公となるはずでした。
またオリジンズの前作「アサシンクリード シンジケート」では、双子の男女の主人公のうち、女性である「エヴィー・フライ」の活躍時間が大幅に削られました。
(今年発売される新作「アサシンクリード ヴァルハラ」は、主人公の性別を変えることができます)
女性よりも男性に重きを置くよう指示したHascoet氏や、女性への暴行などで非難されていたカナダスタジオのマネージングディレクターYannis Mallat氏、また人事部門の責任者であるCécile Cornet氏は、「不正行為や不適切な行動の疑い」により7月12日にUbiを退社しています。
UbiのCEOであるYves Guillemot氏は、社内の差別的な文化に対処していく方針を明らかにしていますが、ブルームハーグは、Ubiが家族経営であることや、従業員の苦情が長い間会社に無視されてきた点などを挙げ、社風を改善するのは簡単ではないだろうと指摘しています。
Source: Bloomberg