Googleのクラウドゲーミングプラットフォーム「Stadia」が発表されたばかりですが、同じクラウドの分野をゲーム界に持ち込もうとしているのがマイクロソフトです。
昨年マイクロソフトはProject xCloudとよばれるストリーミングゲームサービスを発表しています。
XboxのPhil Spencer氏はProject xCloudがゲームに親しんでいない20億人の人たちに向けて作られていると語り、新たな市場の開拓に意欲を見せました。
しかしProject xCloudについてはいくつかの映像が紹介されているだけで、GoogleのStadiaに一歩先を越された感がないともいえません。
Spencer氏をはじめとしたXboxの関係者はGoogleの発表にさぞや肩を落としたのではないかと考えてしまいますが、Thurrottの報告によるとそれは杞憂のようです。
技術系アナリストや本の著者として25年以上のキャリアを持つPaul Thurrott氏が運営するThurrott.comによると、Phil Spencer氏はGoogleのStadiaの発表を見た後に社内のスタッフに向けたメールを送ったとのことです。
それによるとクラウドプラットフォームとしてのStadiaに対しては驚きがなかったとしつつも、YouTubeやGoogleアシスタントへの対応と専用WiFiコントローラーについては感銘を受けたと書いています。
そしてGoogleの発表は2年前に着手した仕事(Project xCloud)の確認でしかなく、まだ数か月あるE3までの期間を、お客様を中心に機敏さを保ちつつ動き続けなければならないとスタッフを鼓舞しました。
また自分たちにはコンテンツやコミュニティ、クラウドに携わるチーム、そして戦略があることを思い起こさせ、それこそがProject xCloudを成功させる全てであると書いています。
実際Spencer氏やマイクロソフトの関係者がGoogleの発表にどんな感想を持ったのかはわかりません。
スタッフを導くのもトップの仕事であると考えるならばこうした内容の社内メールも頷けるところでしょう。
Phil Spencer氏はXboxのトップに就任して以降これまでの失態を挽回すべく大胆な取り組みを続けてきました。
メールの中にはProject xCloudが2年前からスタートしていたことが明かされています。
マイクロソフトはXboxLiveやGamePassといったサービスだけでなく、クラウドの技術と経験でもMicrosoft Azureの運用において一日の長があります。
そうした自分たちの持つ総合的なサービスが、Project xCloudを展開していくうえで自信につながっているだろうことはSpencer氏のこれまでの発言からうかがうことができます。
いずれにしても今回の社内メールが強気を装ったものなのか、それとも余裕からくるものなのかはもうすぐ明らかになるでしょう。
マイクロソフトは今年のE3に参加することを表明しています。
クラウドゲーミングの新しい未来が披露されるのかに要注目です。
Source:Thurrott.com