プリングルズが環境にやさしいエコ容器を発表 100%リサイクルに向けた取り組みの一環

自然
© Pringles/Kellogg

ケロッグの人気ポテトチップス「プリングルズ」の容器は、長らく「エコではない」として批判されてきました。

プリングルズの筒形の容器は紙製ですが、ポテトチップスの油を吸うため、燃えるごみとして捨てざるを得ません。

また蓋と密封シールがプラスチック、底がスチールで出来ており、それぞれ分別する必要があります。

イギリスのリサイクル協会はプリングルズの容器を、スポーツドリンクの「ルコゼード」の容器と共に、「リサイクルを妨げる悪役」と非難しています。

 

こうしたなかケロッグは、1年ほど前から環境に配慮した容器の開発に取り組み、一部の地域で試験的な販売を始めるようになりました。

しかし専門家は、新しい容器が問題の解決に役立つとは考えていません。

 

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プリングルズのエコ容器にはプラスチックも含まれている

 

プリングルズの新しい容器は再生紙で作られており、蓋は紙とプラスチックの2種類のバージョンがあります。

いずれもリサイクルが可能であり、現在イギリスの少数の店舗で試験的な販売が行われています。

 

ケロッグは2025年末までに、容器を100%再生可能なものにすると宣言しています。

 

 

新しい容器は12カ月かけて開発されたもので、従来の容器と変わらず、長い保存期間とパリっとした食感を実現しています。

プリングルズの副社長ミランダ・プリンス氏は、エコ容器への取り組みについて、「自分たちの役割を果たし、地球への影響を減らしたい」と述べています。

 

プリングルズの新しいエコ容器 © Pringles/Kellogg

 

従来のプリングルズの容器を「悪」と呼んでいるリサイクル推進派は、新しい容器を懐疑的に見ています。

英国リサイクル協会のサイモン・エリン氏は、「リサイクル業者の観点からみると、プリングルズの容器は悪いデザインの要塞のようなものだ」と述べる一方、新しい容器については、「改良版であり、広く歓迎する」と評価しました。

しかしプラスチックの蓋については、環境汚染の度合いを減らすのではなく、むしろ増やす結果を招くと指摘しました。

エリン氏は、「ピクニックに行った人は蓋を置き去りにし、それらは川や海に流れ込む」と述べ、プリングルズがプラスチックの蓋にこだわるならば、「汚染の問題はさらに悪化する」と強調しています。

リサイクル協会は、ケロッグと、分別が難しいルコゼードを生産するサントリーに対し、さらに環境に配慮した製品を作るよう求めています。

 

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新しい容器の90%は再生紙でありリサイクルが可能です。

しかし残りの10%の素材には、味を損なう酸素や湿気からポテトチップスを守るために、ポリアルと呼ばれるプラスチック成分が含まれています。

これは新しい容器であっても正しい分別が行われなければ、環境汚染につながることを意味しています。

プリングルズの保存期間は15カ月で、ヨーロッパでは毎日300万缶が製造されています。

ケロッグはエコ容器について、“評判が良ければ”ヨーロッパ全土に展開される可能性があるとしています。

 


 

 

しぐれ
しぐれ

エコ容器は捨てられても自然に分解するみたいだよ

せつな
せつな

プリングルズはおいしいけど処理が大変……

ふうか
ふうか

分別のしやすさもリサイクルの大事な要素だな

 

References: BBC,The Grocer