古代ドルイドの知恵が現代人を救うかも。言い伝えられてきた奇跡の土壌

自然

ドルイド、というと魔法を使ったり森の精霊と話をしたりといった神秘的なイメージがあります。

RPGゲームなどでは年老いた知恵者みたいな印象で、血気盛んな若者をたしなめるなんていう場面もよくありますね。

 

ドルイドはケルト社会における祭司のことで、当時は社会的、政治的、そして宗教的に大きな影響力を持っていました。

ドルイドは文字の文化を持たなかったため教義は口伝で伝わっていき、それが独特の神秘性につながりました。

 

そんなドルイドの残した伝承の一つに「癒しの土壌」なるものがありました。

いわゆる民間伝承の類いなのですが、古くから土地の人々の疾患を治すために利用されてきました。

その「癒しの土」は、歯痛、首の痛み、喉の痛み、また多くの感染症に効果があるとされてきました。

 


 

最近の調査によると、この土壌に含まれる細菌が、現在猛威を振るっているスーパー耐性菌(スーパーバグ)に有効であることがわかってきました。

 

古代の知恵はどのようにして再発見され、今後の人類の助けになるのでしょうか。

 

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民間伝承と抗生物質

 

Image Credit:Stairway to Heaven in Cuilcagh by Carl Meehan, Wikimedia 

 

北アイルランドのFermanagh州にあるBoho Highlandsの土壌は、古くから様々な病気を治すことで知られていました。

伝承はドルイドのいた時代やもっと前、おそらく新石器時代にまでさかのぼるといいます。

こうした民間伝承における治癒効果を研究しているグループにより今回の新たな発見がもたらされました。

 

ウェールズ、ブラジル、イラク、北アイルランドの研究者で構成されたスウォンジー大学医学部を拠点としたチームは、この土地を調べ新しい菌株を発見しました。

 

Streptomyces sp. myrophoreaと名付けられたこの細菌はMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を含む抗生物質に耐性のあるスーパーバグ6種のうちの4種に対して有効であることがわかりました。

 

スーパーバグは抗生物質に対し抵抗を持った菌で、ある調査ではスーパーバグにより2050年までの間にヨーロッパで130万人が死亡するというデータがあります。
世界保健機関(WHO)はこの問題を「今日の世界の健康、食料安全保障、および開発に対する最大の脅威の1つ」と表現しています。

 

研究チームの一人であるGerry Quinn博士は以前にFermanagh州に住んでいたことがあり、癒しの土壌の伝承を古くから知っていました。

 

スウォンジー大学医学部のPaul Dyson教授は今回の発見について次のように述べます。

 

新しい菌株はMRSAを含む6つの耐性菌のうち4つに対して効果があります。この発見は抗生物質に耐性を持つ菌との闘いにおける重要な一歩となります。

 

まだどの成分が病原体の増殖を妨げるのかは明らかになっていないようですが、研究は順調に進んでいるとのことです。

 

さらにDyson教授は今回のような民間伝承について調べることは、現代の問題を解決するための一つの大きな方法になりうると語ります。

 

民間伝承や民間療法を調べることは、耐性を持った菌に対する新薬の発見につながる可能性があります。科学者、歴史家、そして考古学者は皆、この仕事に貢献する何かを持つことができます。問題の解決方法の一部は過去の知恵にあるのかもしれないのです。

 


 

ペニシリンの発見以降、抗生物質は人類の医療に革命を起こしました。

しかし現在では必要以上に抗生物質が利用されることによって、耐性菌という新たな問題を生むようになっています。

研究者はその対策方法を探すために、民間伝承や民間療法などを新たな情報源として探索するようになりました。

 

今回の”対・耐性菌“の発見が何千年も昔の伝承によるものからだったということは、どこか自然からのメッセージであるような気もします。

もっと自然の中に役に立つものがあるのだからそれを利用しなさい――年老いたドルイドの姿が見えてきませんか?

 

ドルイドのいた時代のことなんて現代社会には何の役にもたたないだろうと思ってしまいますが、案外昔の人の知恵と知識も現代とそう大差ないのかもしれません。

 

自然や地球の持つ治癒能力には、まだまだ秘密がいっぱいありそうですね。

 

 

この研究結果はFrontiers in Microbiologyに掲載されました。

 

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