米国ジョージア州の農務省は8月15日、州内で初めてツマアカスズメバチが目撃されたと発表しました。
ツマアカスズメバチ(Yellow-Legged Hornet)は、東南アジアの熱帯および亜熱帯地方が原産のスズメバチで、近年は日本やヨーロッパなど本来の生息地ではない場所でも確認されています。
英名が示すように黄色い足が特徴的なツマアカスズメバチは、体長が2センチほどながら非常に攻撃的で、在来の昆虫、特にミツバチに影響を与えるため、多くの地域で特定外来生物に指定されています。
A yellow-legged hornet was recently discovered near Savannah. This invasive species could threaten honey production, native pollinators, & our state’s No.1 industry – agriculture.
— Georgia Department of Agriculture (@GaDeptAg) August 15, 2023
We’re asking the public to report sightings to https://t.co/8JUswq3PT2. https://t.co/Bt1NqhgeL9 pic.twitter.com/9clf5l53ju
ジョージア州農務省(GDA)によると、ツマアカスズメバチは州内の港湾都市サバンナで目撃され、ジョージア大学などとの調査の結果、本種であることが確認されました。
GDAは「生きているツマアカスズメバチが、州の開けた場所で確認されたのはこれが初めてである」と述べ、市民に対し、似たようなスズメバチを見かけた場合には十分注意するよう呼びかけました。
ツマアカスズメバチは主に昆虫を主食としますが、対象がミツバチの場合、養蜂家だけでなく、作物の生産にかかわる農家にも影響を与えます。
ミツバチは花粉媒介者として、農業に欠かせない生き物です。
アメリカでは、ミツバチを含む花粉媒介者により、年間500億ドル規模の農産物が生産されています。
ツマアカスズメバチの侵入は、農業や養蜂が盛んなジョージア州にとって、経済に打撃を与えかねない深刻な懸念となる可能性があります。
GDAは声明で、「ツマアカスズメバチは、州内のミツバチや他の花粉媒介者にとって脅威となっています。これらの花粉媒介者は、州の農業において重要な役割を果たしているため、侵入害虫を追跡し根絶することが不可欠です」と述べています。
GDAは、市民からツマアカスズメバチの情報を募っており、特に写真を撮って送るよう求めています。
また似たようなスズメバチの中には、在来のミツバチに影響を与えない種もいるため、むやみに殺したり捕獲したりしないよう、特徴を農務省のサイトで確認してほしいと呼びかけています。
ツマアカスズメバチは小さいけどかなり狂暴なんだって
日本にも上陸してるそうだから気をつけよう……
Reference: Georgia Department of Agriculture