自然は人間に安らぎと癒しを与えてくれます。
多くの人が日々のわずらわしさから逃れるため、自然環境に足を運んでいます。
日常生活に自然との触れ合いを取り入れれば、ストレスの軽減に役立つことは確実です。
しかしどれだけの時間が必要なのかは明確な答えがありません。
アメリカの研究者は、都市に住む人を対象にした追跡調査から、ストレス軽減に必要な時間を導きだしています。
人間が自然から恩恵を受けるには、たった20分の時間で十分です。
自然のなかに20分いるだけでストレス軽減効果がある
ミシガン大学のメアリーキャロル・ハンター博士の研究チームは、自然からストレス軽減効果を得るために必要な時間を割り出すべく、都市部に住む36人を8週間にわたって追跡調査しています。
実験の参加者は週3回、少なくとも10分以上自然での体験を行い、期間中4回にわたってコルチゾールの分泌量が測定されました。
コルチゾールはストレスと関連のあるホルモンです。
自然体験後にコルチゾールの数値が減少すれば、ストレス軽減効果を確認できます。
収集したデータからは、自然との接触がそれほど長い時間必要ではなく、20分から30分程度で十分であることがわかりました。
30分以上自然のなかにいてもストレスレベルは低下しましたが、そのスピードは段々とゆっくりになっていきました。
ハンター博士は実験について、「自然から癒しを得るのに必要な時間のスイートスポットを探るものである」と説明し、今回の結果は、「ストレス軽減のために自然で過ごすことを奨励している医師にとって有益な情報になる」と話しています。
また短期間でもストレス軽減効果が得られるという発見は、医療費の増大という問題にも一石を投じるタイムリーな話題だとも付け加えています。
最近発表されたコーネル大学の別の研究でも、「公園で20分過ごすことで人は幸せな気分になる」という結果が出ています。
この研究では、20~25分公園で過ごした参加者の64%が幸福を感じたと回答しました。
彼らは公園内を動きまわったりはせず、ただベンチに座ったり散歩をしたりといった行動だけで大きな幸福感を得ていました。
研究者は、「自然からプラスの効果を得るためにそれほど時間はかからない」と述べています。
研究結果はFrontiers in Psychologyに掲載されました。
20分で効果があるなら昼休みに外に出るのもいいね
緑に囲まれると心が安らぐ……
References: TreeHugger