3メートルもの上昇幅!気候変動がもたらす深刻な海面上昇の影響

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気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告は、現在ほとんど人が住んでいない地域で進む急速な気候変動について警告しています。

気候変動が地球の環境に本当に悪影響を及ぼすのかについては様々な意見があります。

しかし政治家や活動家が気候変動に関する論争に明け暮れている間にも、地球の環境は確実に以前とは異なる変化を見せ始めています。

IPCCは報告書の中で、地球全体の海洋と氷に覆われた地域の約80%がすでに気候変動の影響を受けているとしていて、今の温室効果ガスの排出レベルが続けばその影響はより深刻なものになるだろう、と指摘しています。

 

気候変動は世界の海面を上昇させています。

現在海面上昇により被害を受けている地域は小さな島国がほとんどで、そこに住む人の数も多くないことから、その被害については見過ごされがちです。

しかし海面上昇は後々、地球に住む全ての人間にとっての悪夢となります。

 

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温暖化がもたらす海面上昇

 

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温暖化は地球に様々な影響を及ぼします。

その中でも大きなものは海洋に関するものです。

気温が上昇すると北極圏や南極などの氷河が解け、それにより海面が上昇します。

また海の温度の上昇はサンゴを殺し、巨大な台風を生み、乱れた生態系によって漁業は壊滅的なダメージを受けることになります。

 

IPCCの最近の報告によると、温暖化により2050年までに“100年に一度”規模の台風が毎年発生する可能性があります。

それらは海抜の低い小さな島国だけでなく、世界レベルの大都市であるロサンゼルスも水没させます。

ロサンゼルスのエリック・ガルセッティ市長は「これ以上の証拠が必要ですか?」と報告についての感想を述べ、気候変動により都市に洪水が起き家が燃やされるのは現実に起こりうることだとして、早急な対策が必要であることを強調しました。

 

温室効果ガスの排出がこのままのペースで続くと、今世紀末までに海面は3フィート(約1.5メートル)以上上昇する可能性があります。

この推定値は2013年のものと比べて12%高い数値です。

わずか6年ほどの期間で修正を迫られるほどに、温暖化は確実に海に影響を与えています。

 

アメリカ海洋大気庁(NOAA)の元の管理者の一人で環境科学者であるジェーン・ラブチェンコ氏は、すでに温室効果ガスが、海に深刻な影響を与えていると述べます。

 

温室効果ガスによって海面は上昇し、海はより暖かく、より酸素が少なく酸性になり生産性が低下します。気候変動の海洋への影響は確実に進んでいます。今すぐ行動しない限りこれらの影響はさらに悪化することでしょう。

 

気候変動による影響を抑えるために私たちには一体何ができるのでしょうか。

 

気候変動はすでに“気候危機”

 

photo by Chris Gallagher onUnsplash

 

IPCCの最新レポートの作成には世界中の100人以上の科学者が関わりました。

科学者たちが導いた気候変動に対抗するための手段の一つは「気温の上昇を抑えること」です。

2015年のパリ協定では、世界の平均気温の上昇を1.5度未満に抑えることが提案され採択されました。

これを実現するためにはエネルギーや輸送などの分野に広範囲な変化が必要となります。

具体的には化石燃料からよりクリーンなエネルギーへの転換が必須です。

しかしアメリカをはじめとしたいくつかの国はパリ協定を離脱し自国の経済を最優先する方向へと舵をきりました。

 

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、気候変動はすでに“気候危機”であると述べ、各国が協調する必要性を訴えます。

 

気候変動の問題はすでに我々が負けているレースですが、やり方を変えれば勝つことのできるレースでもあります。前例のない気温、容赦のない嵐、否定できない科学などから考えれば、かつて気候変動と呼ばれていたものは、いまや気候危機であると言えます。

 

海面は現在でも確実に上昇し続けています。

主にグリーンランドと南極大陸、および世界のより小さな氷河の融解によって引き起こさる海面上昇幅は、2100年までに全体で3.6フィート(約1メートル10センチ)に達すると予測されています。

この数値はこれまでに何回も訂正されており、2013年の上昇幅の予測は3フィート(約90センチ)でした。

海面上昇の幅が最も楽観的であったとしても、世界のいくつかの国は確実に水没し大きな被害を受けることになります。

IPCCは2050年まで100年に一度来るか来ないかというレベルの洪水が毎年発生するとしていて、それによってジャカルタ、マニラ、バンコク、リマ、シンガポール、バルセロナ、シドニーなどの大都市が大きな被害を受けるとしています。

またアメリカでもロサンゼルスやマイアミ、ハワイのホノルルなどが海面上昇の影響を受けると予測されています。

ホノルルのカーク・コールドウェル市長は来たる海面上昇に備えて、すべての市当局に対し気候変動を念頭に置いた計画を立てるよう指示しています。

計画には海面が6フィート(約1.8メートル)上昇したとしても耐えることのできる高架化された鉄道システムを設計することが含まれています。

 

温暖化と海面上昇により多発する自然災害は人命と財産を奪います。

プリンストン大学の気候学者で海面上昇に関する報告書を執筆したマイケル・オッペンハイマー氏は、100年に一度の規模の災害が起きたとしても地域によっては壊滅的な被害にならないと指摘する一方で、海面上昇によって高潮の規模が大幅に増幅するため油断するべきではないと注意を促しています。

科学者たちは温室効果ガスの排出を抑えられない場合の2200年までの最終的な海面上昇幅を、最大で10フィート(約3メートル)と予測しています。

 

 

 


 

地球で起きていることには全て相関性があります。

遠い異国の小さな島で起きていることは、必ず他の土地に住む人にも影響を及ぼします。

 

IPCCの報告書の執筆者の一人で北アリゾナ大学の永久凍土の専門家であるテッド・シューア氏は、極地に住む人々は気候変動の影響を頻繁に経験していると語ります。

 

しかしそれは私たちの未来の姿でもあります。いずれ極地に住んでいる人たち以外も皆、同じような影響を受けることになるでしょう。

 

グリーンランドや南極大陸ではかつて見られなかった規模の氷河が解け始めています。

今はまだその影響を肌に感じるまでには至っていませんが、それは確実に私たちの住んでいる環境にも忍び寄ってきています。

小さな島で起きていることがいずれ私たちにも影響を及ぼすのであれば、その逆もまた真実です。

一人一人が地球の環境に対し考え実行していくことは、巡り巡って世界全体を救うことにつながります。

 

 

 

References:The Washington Post

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