現在世界の人口は77億人ですが、人口の増加はここで終わりではなく、しばらくの間止まりそうもないことがわかっています。
国連の人口調査の見通しによると、世界の人口は2100年に110億人に達する見込みです。
人口増加の際懸念になることの一つが食料問題です。
2019年現在においても、たらふく食べられる人がいる一方で、一日の食事さえ満足にとれない人たちもいます。
ドイツの研究者は、今世紀末までに世界の人口を養うために必要な食料が80%増加すると見積もっています。
この食料の大きな需要は、さらなる世界的不平等につながるおそれがあります。
2100年までに必要カロリーが80%増加、食卓には余分のバナナが2つ必要に
ドイツのゲッティンゲン大学の研究グループは、人類が必要とするカロリーが今世紀末までに61.05%増加すると見込んでいます。
またBMI(ボディマス指数-Body Mass Index)および身長の増加により、さらに18.73%分がそこに追加される可能性があると指摘しました。
この追加分は、2010年のインドとナイジェリア全体の必要カロリーを上回る量です。
追加のシナリオを含むと、世紀末までに世界のカロリー需要は今よりも約80%増加することになります。
研究の共著者である、世界野菜センター(World Vegetable Center)のLutz Depenbusch氏は、人口増加とBMIの増加傾向により、より多くのカロリーが必要になると述べます。
私たちの推定ではBMIと身長が上昇すると、2010年から2100年までの1日あたりの平均必要エネルギーは253Kcal増加します。
研究では人口増加により食料需要が増えるのはもちろんのこと、世界の人々の身長と体重も増加傾向にあることが示されています。
それにより必要とする一日のカロリーが増加し、食料への需要はさらに高まることになります。
Depenbusch氏は253Kcalの増加について、余分なバナナ2つかフライドポテトの一部をメニューに加えることと同じであると話しています。
ゲッティンゲン大学のStephan Klasen教授は、将来的なカロリー要求の増加に対し、サハラ以南の国々が最も影響を受けることになるだろうと述べ、この地域は現在でも急速な人口増加を経験しているため、すでにカロリーの需要が高まっていると説明しました。
研究グループは、きたるエネルギー需要の増加に対する世界的な食糧政策の失敗は、食料と経済の不均衡をより悪化させる可能性があると警告しています。
さらに食料に対する需要の増大が食料価格の上昇につながると指摘し、豊かな国は上昇分を吸収できる一方、貧しい国はさらに苦労することになり、より多くの栄養失調を引き起こすだろうと付け加えています。
研究結果は査読つきの科学雑誌「PLOS ONE」に掲載されました。
地球には人類が多すぎるのではないか?
人口が増えればそれだけ食料を生産する土地も必要になる……
食料問題はこれからますます地球規模の課題になっていくかもしれないね
References: BBC