オハイオ州立大学の研究者は12万人以上のウォーキングに関する調査データから、目的を持って歩くことが、そうでない場合と比べ、より人の健康に寄与する確率が高いと報告しています。
散歩から通勤までウォーキングにはあらゆる形態があり、そのどれもが等しく健康に良いものであると認識されています。
新しい研究は、ウォーキングの目的によって健康への効果が異なることを明らかにしています。
通勤のためのウォーキングが最も健康的
オハイオ州立大学の都市と地域計画の准教授であるグルサ・アカール氏たちの研究では、18歳から64歳までの125,885人を対象に、ウォーキングとそれがもたらす健康について分析を行っています。
調査の参加者はウォーキングの習慣や時間、目的地について回答し、さらに歩くことの健康への効果について5段階で自己評価しました。
分析の結果、自宅から勤務先あるいは食料品店などに歩いて通う人は、散歩などのレクリエーションで歩く人と比べて健康評価が高いことがわかりました。
またどこから歩き始めるのかも重要であり、旅行先など自宅以外から行うウォーキングは、時間も短く健康評価も低くなりました。
自宅を出発点としたウォーキングの64%は10分以上行われましたが、旅行先などでのウォーキングはその半分以上が10分未満でした。
全体として最も効果的なウォーキングは仕事をベースとしたもので、到着までの時間が長いほど健康評価も高くなりました。
アカール氏は、「実用的な目的のために歩くことは健康を大幅に向上させる」と述べ、特に通勤時のウォーキングはエネルギー消費の点でより効果的であると説明しています。
仕事に向かう人の歩く速度は時速4.32kmだったのに対し、レクリエーションでの歩行速度は時速4.10kmと差がありました。
これは決められた時間に到着するという目的が、体を活発にしていることを示唆しています。
一方で食後の散歩などは自分のペースで歩くため速度が落ちます。
アカール氏は、「ジムやレクリエーションセンターに行くことだけが唯一の運動方法ではない」と述べ、特に座りがちな仕事に従事している人は、通勤の際に歩きを取り入れるべきだと指摘しています。
研究結果はJournal of Transport and Healthに掲載されました。
いつもよりちょっと長く歩くだけでもずいぶん違うみたいだよ
健康のためにはただ歩くのではなく目的を持って歩くのがいいということだな
References: Ohio State University