体重よりもウエストサイズに気を付けるべき、腹部肥満は心臓発作や脳卒中のリスクを高める

雑ネタ
Image by Thomas Wolter from Pixabay

肥満は万病の元であることが知られているため、将来病気にかかることに不安な人は、体重計に乗ることを日課にしています。

しかし体重の増加に気を配るだけでは見落としてしまう病気もあります。

新しい研究によると、“腹回りについた肉”は心臓発作や脳卒中の発症と深い関わりがあります。

これからも健康でいたいと考えるならば、体重計に乗るだけでなく、メジャーでウエストを測ることも日課に追加すべきかもしれません。

 

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太いウエストは心臓発作や脳卒中のリスクを高める

 

ストックホルムにあるカロリンスカ研究所のハニエ・モハマディ博士が行った研究は、たとえ他の部分が痩せている人でもお腹周りが太っている人は、心臓発作や脳卒中を発症するリスクが高くなることを明らかにしています。

過去の研究では、ウエストが太い人がそうでない人に比べて心臓発作を起こす可能性が高いことが示されていますが、今回の研究では、そこに脳卒中のリスクが加わり、また一度発症した後の再発率が高くなることも突き止めています。

調査は一度心臓発作に見舞われたことのあるスウェーデン人22,000人以上を対象に行われ、ウエストの数値と、その後の病気――心臓発作、脳卒中、血管の詰まりなど――の発症率が追跡されました。

4年に及んだ追跡調査の結果、男性1,232人と女性469人が心臓発作や脳卒中を経験しました。

これらの患者のうち、男性の78%と女性の90%が「腹部肥満」でした。

(腹部肥満とされるウエストの基準値は、男性で94cm、女性で80cmです)

またこの結果は、患者の他の危険因子――喫煙や糖尿病、高血圧、肥満指数など――とは無関係であることもわかりました。

これは太いウエストが、心臓発作や脳卒中の発症に深く関わっていることを示しています。

モハマディ博士は「腹部肥満は、最初の心臓発作や脳卒中のリスクを高めるだけでなく、再発のリスクも高める」としたうえで、「現在服用している薬の数や血液検査による結果と関係なく、これらの病気を予防するためには、健康的なウエストを維持することが重要である」と述べています。

 

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太いウエストと病気との関連の強さは、女性よりも男性で多く確認されています。

男性の場合ウエストが太くなるほど病気の発症率が上がりましたが、女性の場合はこの限りではなく、最もリスクの低いウエストの中間値は、従来から腹部肥満のリスク値であるとされている80cm付近でした。

この点についてモハマディ博士は、女性が男性よりもお腹に脂肪がつきやすい体をしているからだと指摘しています。

過去の別の研究では、男性の方が女性よりも多くの内臓脂肪を持っており、それが体の奥深くにまで入り込むことで重要な臓器に影響を与えている可能性が示唆されています。

これらの余分な脂肪はコレステロールに変わることで動脈硬化に結び付き、最終的には心臓病や脳卒中を引き起こすリスク要因になります。

博士は、「女性の腹部脂肪の大部分は比較的無害な皮下脂肪で構成されていると考えられる」と述べたものの、この研究自体に含まれていた女性の数が少なかったことから、統計的に明確な結論を出すためにはさらなる調査が必要であると説明しました。

 

世界保健機関(WHO)は、男性で94cm以上、女性で80cm以上のウエストは、心臓発作や脳卒中などの心血管疾患のリスクを高めるとしています。

またこのリスクは、男性で102cm、女性で88cmを越えるとさらに増大することが指摘されています。

モハマディ博士は、再発のリスクが高い心臓発作の患者を特定する方法として、ウエストを測ることを医療従事者に勧めています。

 

研究結果は欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)で発表されました。

 


 

 

かなで
かなで

体重が変わらなくてもお腹が出てきたら要注意ってことだね

しぐれ
しぐれ

体重だけじゃなくてウエストも測るようにしたほうがいいかもしれないね

せつな
せつな

お腹ポッコリおじさんは気を付けるべし……

 

 

 

References: CNN