やりすぎ厳禁!スクワットを1000回した10代の女性が病院に担ぎ込まれる

雑ネタ
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YouTubeにはダイエットやエクササイズを成功させるための方法を紹介する動画がいくつもアップされています。

実際に効果のあるものから首を傾げるようなものまで、玉石混合の動画群は、多くの体型に悩む人たちを困惑させています。

 

先日チャイナプレスに掲載された記事によると、中国の10代の学生二人は、YouTubeの動画の影響を受けて行ったスクワットにより重篤な状態に陥りました。

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筋肉の急激な酷使は身体に重大な影響を及ぼす可能性がある

 

アメリカのフィットネス起業家であり、自身のYouTubeチャンネルで数多くのエクササイズ動画を公開しているキャシー・ホー(Cassey Ho)氏の動画の1つ「1000スクワット」は、文字通り1000回のスクワットを行うことで身体を引き締めるという内容の動画で、公開されて以降200万回以上再生されています。

 

Can I do 1000 Squats? FULL LENGTH Version

 

この1000スクワットを実行した中国の10代の学生、Xiao(19歳)とその友人は、どちらが長い間スクワットをし続けていられるか互いに競争することにしました。

動画は45分ほどで完結していますが、通常1000回ものスクワットを完遂するには――仮に完遂できたとしても――2時間から3時間かかる場合があります。

Xiaoと友人は、最初は自分たちが1000回のスクワットを完遂できるとは思っていませんでしたが、彼女たちの心の中には“互いに負けたくない”という思いがあり、結局意図せずして二人は1000回のスクワットをやり遂げてしまいました。

 

Xiaoはスクワットを終えた後身体に痛みを感じますが、それは激しい運動の後に起こる正常な反応だと思い、翌日にはいつものように学校に向かいました。

Xiaoが異変に気付いたのはその翌日でした。

 

まず第一に私の足は痛かっただけでなく、曲げることができませんでした。それからトイレに行ったところ、尿の色が茶色だったことに気づきました。

 

Xiaoはすぐにボーイフレンドと共に救急外来に行き、そこでの検査の結果、体内のミオグロビンが異常に高い値を示していることがわかりました。

 

ミオグロビンは筋肉が疲労したり壊れたりしたときに作られるタンパク質で、血流に流れ出すと「横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)」と呼ばれる腎機能が低下する重篤な症状に至る場合があります。

ミオグロビンは尿中に排出されると赤褐色を帯びた血尿のような色になります。

この状態の場合既に腎臓に異常をきたしているのが普通であり、FBIの医官であるBruce Cohen氏は、「通常、尿の色が茶色に変わる頃には手遅れです」と語っています。

 

横紋筋融解症の原因はいくつかありますが、筋肉が激しい運動に耐えられなかったり、あまりにも酷使した場合には発症する可能性があります。

 


 

幸運にもXiaoは病院での治療によりミオグロビンを正常の値にまで戻すことができました。

激しいスクワットの後病院での生活を余儀なくされたXiaoでしたが、友人もまた同じ経過をたどっていました。

Xiaoが友人に電話をかけたところ、彼女もまたスクワットの後に入院をしていたそうです。

どちらが勝つか、という二人の闘いは、結局痛み分けで終わったのでした。

 


 

今回のケースは、YouTubeで人気のある配信者やインフルエンサーと呼ばれる影響力のある人物の勧めるものが、必ずしもそれを見る人や信奉者にとって有益であるとは限らないことを示しています。

1000スクワット以外にも多くの動画を配信しているCassey Ho氏は、「自分のしているエクササイズは簡単なものではないので、注意をしてけがのないように行ってください」と忠告しています。

動画を見るといとも簡単そうで自分でもできると思いがちですが、普段しない行動をする場合には、専門家からのアドバイスや、過去にそれをしたことがある人の意見などに耳を傾ける必要があるでしょう。

 

ダイエットやエクササイズをしようとして身体を壊してしまったら元も子もありません。

何事もやりすぎず、ほどほどにしておくのが一番なのかもしれませんね。

 

 

 

References:ScienceAlert