NASAは今年打ち上げ予定の火星探査車の名前が、正式に「Perseverance (パーサヴィアランス)」に決まったと発表しました。
これまで「マーズ2020」と呼ばれていたパーサヴィアランスには“忍耐”という意味があり、この名前は全国の学校から集められた28,000の候補の中から選ばれました。
ローバーの名前を決めるエッセイコンテスト「Name The Rover」にエントリーし見事栄誉を勝ち取った、バージニア州の13歳の学生アレクサンダー・メイザーさんは、「過去の全ての火星探査車の名前は全て人間の持っている資質を表しているが、忍耐力という最も重要なものは見逃されていた」と語り、この名前には、火星探査で起きうる困難に対し人はあきらめずに常に忍耐するという意味が込められていると説明しました。
過去の火星探査車の名前は伝統的に公募によって決められてきており、これまで、「キュリオシティ (好奇心)」、「インサイト (洞察)」、「スピリット (精神)」、「オポチュニティ (機会)」などの名が採用されています。
2年前までは宇宙よりもビデオゲームに関心があったメイザーさんは、2018年にアラバマ州で開催されたスペースキャンプを訪れたことで真の宇宙愛好家となりました。
アポロ計画で使われたサターンVロケットを見て感銘を受けたメイザーさんは、毎日NASAのホームページをチェックしたり、宇宙飛行士の自叙伝を読みふけったり、3Dプリントでロケットを作成したりするようになりました。
彼はローバーの名前を決めるコンテストに参加した理由について次のように語っています。
この火星探査車は人類が火星に到達するための道を切り開くのに役立ちます。私はできる限りの方法で支援したいと思いました。挑戦しないという選択肢はありませんでした。
NASAの科学部門のディレクターであるトーマス・ザブーケン氏は、「以前の全ての火星探査車と同様に、パーサヴィアランスも多くの課題に直面し常に忍耐が必要になる」と述べ、メイザーさんのつけた名前に対し、「この名前は探検の精神をとらえている」と評価しました。
パーサヴィアランスは火星で微生物の兆候を探すだけでなく、ESA(欧州宇宙機関)と共同で行う岩石や塵のサンプルリターンミッションにも関わることになっています。
現在フロリダにあるNASAのケネディ宇宙センターで発射のための最終準備にとりかかっているパーサヴィアランスは、2020年の7月17日から8月5日までの間に地球を飛び立ち、2021年の2月18日に火星に到着します。
忍耐……普通はなかなか採用しないような名前かも……
パーサヴィアランスは火星からのサンプルリターンを計画しているから、その難しさも名前に込められているのかもしれないな