中東初の快挙、UAEの火星探査機「HOPE」が打ち上げに成功

宇宙
(UAE Space Agency)

7月20日、中東諸国では初となるUAEの火星探査機が種子島宇宙センターから打ち上げられました。

H2Aロケットで打ち上げられたのは、UAEがアメリカの大学と協力して製作した火星探査機「HOPE」で、飛行が順調に進めば、UAEの建国50周年となる2021年2月に火星に到着する予定です。

HOPEの科学責任者であるサラ・アル・アミリ氏は打ち上げについて、「これはアメリカが51年前にアポロ11号の月面着陸を見たのと同じように、UAEの人々を刺激するものだ」と述べています。

 

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HOPEは7月に打ち上げが予定されている3つの火星探査機のうちの一つです。

2020年は惑星の位置関係から火星の打ち上げに適した時期であり、UAEの後にはアメリカと中国が控えています。

NASAはHOPEの打ち上げにあわせ、「旅の成功を祈りつつ、共に火星を探索できることを楽しみにしている」とツイートしています。

 

 

UAEは火星に探査機を送るにあたりプロジェクトチームに対し、外国の企業から機体を購入しないことを求めました。

そのためHOPEの製造の多くは、米国コロラド大学ボルダー校の大気宇宙物理学研究所と、ドバイのムハンマド・ビン・ラシード宇宙センターで行われました。

 

HOPEはアメリカと中国の探査機とは異なり火星には着陸せず、軌道上から大気を観測します。

このミッションは、他の国の探査機と同じような目的を避けるために選ばれました。

HOPEのプロジェクトチームは、NASAの諮問委員会である「火星探査計画分析グループ」に赴き、HOPEが出来得る研究内容について助言を求めました。

HOPEは火星の大気と循環を一年中観測し、この惑星にかつて水があった理由を解明するヒントを探します。

HOPEのプロジェクトマネージャーであるオムラン・シャラフ氏は、「HOPEの調査は、とらえどころのない赤い惑星についての特別な展望を提供するだろう」と説明し、「私たちには、人類が火星に到着したときに役立つであろう科学と技術の開発に貢献できる戦略がある」と述べています。

 

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これまで多くの探査機が火星に向かいましたが、そのほぼ半数は、打ち上げか着陸に失敗しています。

シャラフ氏は「失敗はありうるが、国家として進歩しないという選択肢はない」と述べ、「重要なのは、このミッションから得た知識や能力と、それがUAEにもたらすものだ」と強調しました。

 

UAEは2117年までに、火星に人間の居住地を作りたいと考えています。

 


 

 

ふうか
ふうか

HOPEは高度22,000kmから44,000kmの楕円軌道をとるそうだ

かなで
かなで

同じ場所を違う時間や角度で見れるようになるんだね

 

References: BBC,ScienceAlert