猫は犬よりも飼い主に対する愛情が深い――これまでのイメージを覆す意外な猫の愛着行動

動物
photo by Chris Abney onUnsplash

犬は忠実、猫は気まぐれ……私たちがこれら人類の二大ペットに対して抱く印象は大体こんなものでしょう。

確かに猫はいつの間にかどこかに行ってしまったり、突然ひっかいたりといった予想もつかない行動をします。

一方で犬は飼い主に対し非常に従順で忠実であるというイメージがあります。

動物の個性と言ってしまえばそれまでですが、飼い主としては犬であれ猫であれずっと自分になついていてほしいと考えるものです。

しかし飼い主に対する忠節という面において、犬が上で猫が下である、という風潮はもう終わりになるかもしれません。

Current Biology誌に掲載された新しい研究によると、猫は犬よりも飼い主に対して愛着を持っています

 

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猫は犬以上に飼い主に対して愛着行動を示す

 

オレゴン州立大学の動物科学者クリスティン・ヴィターレ氏を中心として行われた研究は、猫が人間(飼い主)に対してこれまで考えられていた以上に社交的であり、愛着行動を示すことを明らかにしています。

ヴィターレ氏と彼女のチームは79匹の子猫と38匹の成猫に参加してもらい、猫の人間に対する愛着行動が環境によってどう変化するのかを調べました。

(実験に参加する猫は人間――研究者――たちと6週間にわたる交流があるため、猫にとって人間は実質飼い主といえる状況です)

 

実験は子猫または成猫を人間と一緒の部屋に置き、床に描かれた円の中にいるときだけ交流できるようにしました。

人間が円の中にいる一方で猫が円の外にいる場合は交流することはできません。

2分後人間は部屋から出て、猫は単独でさらに2分間部屋に放置されます。

そして再び2分たった後、人間が部屋に入り円の中に座ります。

これら一連の行動はすべて録画されており、研究者たちはどれだけの猫が人間の元に寄ってくるのか、もしくは人間を避けるのかなどについての“猫の愛着パターン”を記録していきました。

その結果、子猫群も成猫群も似たような愛着パターンを見せることがわかりました。

 

Credit:Kristyn Vitale, Oregon State University

 

子猫は64.3%が愛着行動を示し(人間の元に寄ってくる)35.7%が不安定な動きや回避的な行動を見せました。

成猫も似たような結果で、65.8%が愛着行動を示し34.2%が回避的な行動をとりました。

この結果は、猫が人のいない閉鎖された空間にしばらく放置された後であっても、人間に対して不安やおびえを感じることが少ないことを示しています。

またこの数値は人の乳児で行われた同様の実験結果にほぼ等しいものでもあります。
(人の乳児の場合、約65%の愛着率が示されています)

 

そして注目すべきなのは、(過去の研究結果から)これが犬の場合だとそれぞれが61%、39%となることです。

これは一般的なイメージ――犬のほうが猫よりも人に対して忠実である――に対し異議を唱える結果です。

この結果に対しヴィターレ氏は「猫は犬と同じように人間との愛着に関して社会的な柔軟性を示す」と述べ、また猫の大部分が飼い主と密接な関係を結んでおり、新しい環境における安全基準のソースとして飼い主を利用しているとし、二つの種はそれぞれの愛情表現が異なるのではないかという見方を示しました。

 

この研究結果はしばしば自由すぎることで犬と比較される猫が、意外にも人と深い関係を結んでいて、また彼らが犬と同様に社会的絆を形成する能力に長けていることを明らかにしています。

ヴィターレ氏の過去の研究でも、猫は飼い主が彼らを適当に扱わない限りとても社交的で愛情深いことが示されています。

実際猫は食べ物やおもちゃを与えられるより人と交流することを望む場合があります。

同氏は猫の飼い主に対して「外出して自分の猫と交流し何が起きるのかを見るのが重要だ」と述べています。

いつもと違う環境に置かれたときこそ、猫と飼い主の間にある愛情の絆が現れます。

 

 

 


 

犬と猫の愛情表現の仕方が異なる、というのはおそらく真実でしょう。

犬はストレートに人にぶつかってくるのに対し、猫はどこか回りくどく、時には遠慮がちなことさえあります。

しかしそれは猫が人に対して感謝や愛情の気持ちを持っていないことを表すのではなく、表現方法が違っているだけなのです。

ですから、自分の愛猫がいつもそっぽを向いているからといっていじめたり無視したりしないでください。

猫はちゃんとあなたの愛情を理解しています。

 

 

 

References:ScienceAlert

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