ペットを飼っている人はそうでない人と比べて、より健康的な人生を送れる可能性があります。
とりわけ犬は飼い主を活動的にし、心筋梗塞や心不全といった心血管疾患にかかるリスクを低下させます。
米国の総合病院であるメイヨークリニックは、2000人以上を対象にした追跡調査のデータから、ペット、特に犬を飼っている人が病気になりにくいことを発見しています。
将来、犬を飼う理由に「心臓の健康のため」という項目が加わるかもしれません。
犬を飼っている人は健康的
メイヨークリニックの研究者は、チェコ共和国の都市ブルノで2013年から行われている大規模な追跡調査のデータを元に、ペットと心血管疾患の関係性について分析しています。
追跡調査は現在も続けられており、生活習慣から病歴に至るまで多くのデータが蓄積されています。
今回の研究では、アメリカ心臓協会が心血管疾患のリスクを判断するために用いている7つの指標(※)が、ペットの有無とどう関係しているのかについて分析が行われました。
(※喫煙、食事、運動、体重、血圧、コレステロール、血糖値の7つ)
結果、ペットを飼っている人はそうでない人に比べて健康的であり、心血管疾患のリスクが有意に低いことがわかりました。
特に犬の飼い主は身体的な活動をする機会が多く、このグループは、年齢、性別、教育などを問わず最も健康スコアが高くなりました。
ペットと飼い主の関係について調べた研究は過去にもあり、それらの多くは、犬を飼うことによって、飼い主が活動的あるいは社交的になる例を報告しています。
研究を行ったメイヨークリニックのフランシスコ・ロペス・ヒメネス氏は分析結果について、「飼い主は、散歩のための外出や一緒に遊ぶことなどを通してより健康的になる」と説明しています。
(skeeze/Pixabay)
犬を飼うと散歩のために体を動かす必要が生じます。
それはペットとの絆を育むだけでなく、飼い主の健康にも良い影響を与えます。
ヒメネス氏は、「犬を飼うことは心血管疾患に対する予防になるだけでなく、社会的孤立を防ぎ、精神的な健康にも寄与する」と述べています。
今回の研究は犬に焦点を当てており、猫などのペットについては考慮されていません。
調査対象となった人々のなかでペットを飼っていたのは42%で、犬を飼っていたのはこのうちの24%だけでした。
犬は明らかに飼い主の健康にプラスの影響を与えますが、他の動物に同様の利点がないと断定することはできません。
また健康に関わる要素はペット以外にも数多く存在します。
ヒメネス氏は、「ただ犬を飼っているというだけで健康になれるわけではない」と話しています。
研究結果は、ScienceDailyに掲載されました。
犬を飼うと毎日散歩しなくちゃいけないから自然と健康になるんだよ
他の動物のケースも知りたいね