2018年の1月、ニュージャージー州からバージニア州まで車で移動していたJohn Tomasuloさんが、途中サンドイッチを買うためにお店に立ち寄りました。
必要なものを買って車に戻ると窓ガラスが割られていて、一緒に旅をしていた愛犬であるヨークシャーテリアのブッダ(Buddah)も連れ去られていました。
辺りを探したものの手がかりはなくTomasuloさんはブッダのことをあきらめるほかありませんでした。
そんな出来事からはや1年が過ぎようとしていた2018年の12月。
バージニア州リッチモンドの非営利動物保護団体であるRichmond Animal Care and Control(RACA)に、1匹の野良犬がやってきます。
そのみすぼらしい犬にはマイクロチップが取り付けられていました。
災害や迷子によりペットと離れ離れになっても、ICチップを読み取ることで飼い主との連絡がつきやすくなります。
近年、日本でも導入が進んでいます。
John.Tとだけ識別できたチップの情報をたどった結果、飼い主が現在ニュージャージーのウォールタウンシップにいることが判明しました。
RACAは連絡をとり、それがやはり1年前に盗まれたTomasuloさんの愛犬ブッダであることがわかりました。
思いがけないブッダ発見の報告にTomasuloさんは喜んだものの、一つの障害がありました――彼は車を運転できなくなっていたのです。
RACAのあるリッチモンドからウォールタウンシップまでは350マイル(560km)以上あります。
とても気軽に行ける距離ではありません。
しかし動物を愛する人たちの善意は、世の中には見返りのない行動があるのだ、ということを思い起こさせました。
RACAでボランティアをしているJillian Phillipsさんたち2人が、自ら車を運転してブッダを飼い主のもとへ連れていくことにしたのです。
ボランティアのお二方とブッダ
二人ははるばるニュージャージーまで車を走らせ、ブッダはTomasuloさんと1年ぶりの再会を果たしました。
12月27日の再会は、1人と1匹にとっての大きなクリスマスプレゼントでした。
飼い主のJohn Tomasuloさんとブッダ
RACAは、常に暴力や虐待の犠牲になっている動物たちと接していることは感覚を麻痺させる、と語ります。
しかし今回の出来事が、世界が素晴らしい人々で一杯であり、愛とやさしさが常に勝つことを私たちに思い出させてくれる、とも語っています。
たった1人の、たった1匹のペットのために560kmを移動することはなかなかできるものではありません。
動物を守り助けることでみんなを笑顔にしているRACAのみなさん、本当にありがとう!
References:YouTube,huffingtonpost