オンラインゲームは楽しいものですが、ときに誹謗中傷や嫌がらせなどを招くことがあります。
オンラインゲームが持つ“毒性”についてはハードメーカーや開発会社だけでなく、心理学者や社会学者など多くの分野の専門家たちも、解決しなければならない問題だと考え始めています。
あるイエズス会の神父も、オンラインゲームの毒性が人々に与える影響について危惧しています。
現在神父は、オンラインゲームで受ける精神的ダメージのない環境を作ろうとしています。
司祭になる前にはシリコンバレーで働いていた経験も持つ、Robert Ballecer神父は、オンラインゲームをプレイする人たちに毒性の少ない環境を提供しようと考え、Twitterでアンケートを取りました。
4つのゲーム、「Rust」、「Ark」、「Team Fortress 2」、「マインクラフト」の中から、最も要望の多かったタイトルを選び、バチカンの公式サーバーで運用するという提案をしたところ、64%の得票数で「マインクラフト」が選ばれました。
Ballecer神父自身もゲームをプレイし、マインクラフトに関連するツイートをし話題になったこともあります。
The trolls have already showed up to blow stuff up, but I never thought it would be easy. 😇
(https://t.co/y2ernEVRDQ) https://t.co/sNNL4Kq7Yv
— Fr. Robert R. Ballecer, SJ (@padresj) December 1, 2019
神父のバチカン公式サーバーの運用は、ゲームを限られた人たちで楽しくプレイするためというよりは、人間関係を(バーチャルな世界の中だけでなく)現実世界にも移そうという試みです。
テクノロジーでもゲームでもありません。これは人間関係を現実の世界に移すことができるように人を集めるためのものです。
神父はこの提案をしたときに多くの人から懐疑的な意見が寄せられたと話します。
「Googleのサービスについて神父が語るのはおかしい」とか、「司祭に就いている者がビデオゲームのサーバーを運用するのは伝統に反している」などの様々な意見が集まり、ほとんどの人がバチカン公式サーバーの運用に批判的でした。
しかし最終的には皆、彼が“たまたま”聖職者であるだけで、やろうとしていることは素晴らしく賛同できるものであるということに気づきました。
神父の、光ファイバーを使って世界中のマインクラフトプレイヤーをつなげる、という“奉仕”の精神は、こうして理解されることになりました。
Priest creates Minecraft for Vatican
バチカン公式のマインクラフトサーバーは現在テスト中だということで、多くの人からのフィードバックを求めています。
宗派やバックグラウンドは問いません。
マインクラフトのアカウントを持っておりサーバーテストに興味のある人は、minecraft.digitaljesuit.comにアクセスすることができます。
神父がゲームを推奨するのもどうかと思うが
ゲームの害を説くよりはよっぽど有意義な取り組みかもしれない……
Source:VG247