任天堂とソニーがコラボした幻のハード「任天堂プレイステーション」のオークションが先日行われ、ビデオゲーム関連で最も高い金額となる36万ドル(およそ3,800万円)で落札されたことがわかりました。
オークションはポップカルチャー関連のアイテムを専門に取り扱うヘリテージ・オークションズ(Heritage Auctions)が取り仕切り、入札はテキサス州ダラスにある本社会場でのライブおよび電話とインターネットによって行われました。
ヘリテージ・オークションズ(Heritage Auctions)は落札者について、「本人が現時点で特定されることを望んでない」として明かすのを避けています。
任天堂プレイステーションは、本質的にはCD-ROMドライブを搭載したスーパーファミコンで、1991年に数百台のプロトタイプが作られました。
しかしその後ソニーは独自の規格として「PlayStation」を採用、発売することになり、この幻のハードが世に出ることはありませんでした。
Image: Heritage Auctions
オークションに出品された任天堂プレイステーションは、元々SCEアメリカ(Sony Computer Entertainment America)の前社長であったオラフ・オラフソン(Olaf Olafsson)氏が所有していたものです。
その後、オークションにかけられた本機はテリー・ディーボルド(Terry Diebold)氏の手に渡り、長らく屋根裏部屋に押し込まれたままでしたが、2015年にディーボルド氏の息子が発見したことで、再び世界の関心を集めるようになりました。
ディーボルド親子は任天堂プレイステーションを持って世界を旅し、希少なハードに対してはコレクターからいくつものオファーがありました。
ディーボルド氏は昨年、ノルウェーのコレクターから任天堂プレイステーションを120万ドルで買いたいという連絡を受けそれを断っています。
任天堂プレイステーションのプロトタイプで現存しているのは本機だけだと考えられています。
任天堂プレイステーション用のゲームは一つも発売されていませんが、ヘリテージ・オークションズの委託ディレクターであるヴァレリー・マクレキー(Valarie McLeckie)氏によると、本機のカートリッジとCD-ROMは現在でも独立して正常に作動するということです。