2019年1月、スコットランドのアバディーンシャーで新たにストーンサークルが発見されました。
ストーンサークルの石の配置は過去にはないタイプであり、発見は多くの考古学者の関心を集めました。
しかし2月に入りアバディーンシャー評議会は、「ストーンサークルはごく最近に作られたものである」と正式に発表しました。
ストーンサークルは、土地の所有者が90年代に自作したレプリカでした。
農夫が作った精巧なストーンサークル
ストーンサークルは、アバディーンの西にあるアルフォード近郊の農場で見つかりました。
90以上の石で構成されたストーンサークルは、最初の調査で、3500~4500年前に作られたものと推定されました。
この場所にストーンサークルがあったという証拠は、土地の記録や考古学の文献などには見当たらず、研究者は歴史的な発見に色めき立ちました。
しかし後日、ストーンサークルを調査している考古学者の元に一人の農夫がやってきて、衝撃的な発言をします。
農夫は、「自分はこの土地の所有者であり、ストーンサークルは全て自分が90年代に作ったレプリカである」と打ち明けました。
初めは耳を疑った考古学者でしたが、改めてストーンサークルの状況を確認すると、腑に落ちない点があることに気づきました。
考古学者は世紀の発見に興奮するあまり、同じ地域にある他のストーンサークルとの比較を怠っていました。
If you are having an awkward day at work at least you’re not that guy who identified a new prehistoric stone circle to the press that now turns out to be about 20 years old. https://t.co/9EGmb9H3pO
— 👻🦇🧛♂️🎃 Neil Spookerman BLM 🎃🧛♂️🦇👻 (@ncackerman) January 21, 2019
この地域で見られるストーンサークルは、今回見つかったものと比べても大きく、また石の向きなども明らかに異なっています。
他の遺跡との比較は、このストーンサークルが極めて異質な存在であることを示しました。
考古学者は最終的に農夫の言葉を真実であると認め、「ストーンサークルは本物ではない」という発表を行いました。
アバディーンシャーの考古学者であるニール・アッカーマン氏は、「今回見つかったストーンサークルは非常によくできており、制作者は相当の知識があったはずだ」と指摘しています。
ストーンサークルはレプリカでしたが、考古学者をだませるほど精巧に作られていました。
これは制作者が、この地域の歴史やストーンサークルに対して深い情熱を持っていたことを表しています。
アッカーマン氏は、「ストーンサークルがレプリカだったことはとても残念だが、それでもこの場所には興味深い物語がある」と述べ、訪問者に対し「今後も、見て楽しんでほしい」と付け加えています。

土地の所有者は騒ぎになってるのを聞いて、慌てて知り合いの考古学者に連絡したんだって

ストーンサークルを一人で作ったとは誰も思わないだろうな
References: LiveScience,ScienceAlert