9500万年前に生息していた“最も奇妙なカニ”の化石が発見される

自然
Credit:Oksana Vernygora,University of Alberta

一見するとピクサーの新しいアニメキャラかと見間違うこの新種の生物は9500万年前に生息していたカニの仲間です。

コロンビアとアメリカで発見されたこの奇妙なカニは、現在生きているカニとは全く異なった姿をしています。

曲がった爪、露出した尾と足、そして体に比べて大きすぎる目を持つこのカニは、「Callichimaera perplexa」――“困惑させる美しいキメラ”という意味の名前が付けられました。

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現代のカニの特徴を全て無視した奇妙な姿のキメラ

 

Callichimaera perplexaの化石を発見したのはエール大学とアルバータ大学の博士研究員で古生物学者のJavier Luque氏です。

Luque氏は国際的な研究者チームを率い、2005年にコロンビアのアンデス山脈で初めてこの化石を発見しました。

 

そのあまりに奇妙な体の作りは名前の由来の通り研究者を困惑させます。

このカニがキメラ――ライオンの頭とヤギの胴体そしてヘビの尾を持つ神話上の生き物――を連想させるのにそう時間はかかりませんでした。

 

Luque氏は、Callichimaera perplexaがとてもユニークな存在だと言います。

 

通常カニは広い甲羅、強い爪、長く細い目、そして体の下に隠された小さな尾を持ちます。しかしこのカニは私たちのカニに対する定義の見直しを迫っています。

 

Luque氏は、Callichimaera perplexaは現在地球に生息しているカニの特徴を全て無視している、と語りました。

 

世界の多様なカニたち。中央がCallichimaera perplexa。かなり特徴的な姿をしている。Credit:Arthur Anker&Javier Luque; figure,Javier Luque,Yale University

 

Callichimaera perplexaは今から9500万年前、恐竜が地上を支配していた時代に生きていました。

化石が見つかった場所から、コロンビア、北アフリカ、そしてアメリカのワイオミング州の辺りに生息していたと推測されます。

鳥の翼のようにも見える足は、現代のカニように横歩きするためではなく素早く水の中を泳ぐためのものでした。

そしてレンチのような爪は強力な握力で獲物を挟み込みました。

体に比べて大きすぎる目は、人間の体で換算するとサッカーボールに匹敵する大きさです。

しかしこれらのちくはぐなパーツがなぜこのカニに必要だったのかについて研究者たちは頭を悩ませています。

Luque氏は「これを研究者が理解しようとするのは、美しく、そしていらいらさせるものだ」と語っています。

 

フロリダ国際大学の進化生物学者Heather Bracken-Grissom氏は、現在地球上には7000種以上のカニやロブスターなどの甲殻類が生息していると言います。

そして今回の奇妙なカニの発見は、科学者がカニ類について知っていることを再評価するものだと述べます。

 

この新しい化石はこれまで知られていなかったカニのユニークな体型について教えています。これはカニがどのような進化を遂げてきたのかを再考させるものです。

 

Grissom氏はCallichimaera perplexaが、カニの進化系統の初期の部分を明らかにするかもしれないと語りました。

 

 

 


 

Callichimaera perplexaの姿は、ピクサーのCG担当者が処理を間違えたかのようにも見えます。

しかしこのユニークな形態は、彼らが9500万年前の環境で生きていくのに不可欠なものだったのは間違いありません。

 

研究者たちを悩ませている“困惑させる美しいキメラ”は、その大きすぎる目で一体何を見ていたのでしょうか。

 

 

Reference:CNN,Phys.org

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