驚きの生命力!2,000年以上前のナツメヤシの種子が発芽

自然
Image by Eveline de Bruin from Pixabay

イスラエルの科学者を中心とした研究チームは、2,000年前のユダヤの遺跡や洞窟から発見された古いナツメヤシの種子を発芽させることに成功しています。

ナツメヤシは6,000年以上前から栽培が始まっていた植物で、食料としてだけでなく薬としても利用されてきた歴史があります。

しかし2,000年前のユダヤ地域で栽培されていたナツメヤシは既に絶滅していて、現在残っているナツメヤシの品種とは別物です。

 

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現代によみがえった2,000年以上前のナツメヤシ

 

研究チームは、死海を見下ろす場所に建てられたマサダの遺跡や死海文書が見つかった洞窟などの発掘調査から当時のナツメヤシの種子を発見し、その中から状態のよい32個を植え成長を観察しました。

その結果6個の種子が発芽し、チームはそれぞれに、ヨナ、ウリエル、ボアズ、ユディト、ハンナ、アダムというユダヤにちなんだ名前をつけました。

芽を出す時間は種子によって異なり、数週間のものもあれば半年以上かかったものもありました。

 

発芽した6つの古代のナツメヤシ Photo credit: Guy Eisner

 

研究者は、成長した植物の根に残っていた種子の成分を放射性年代測定にかけ、それらが紀元前200年半ばから紀元400年頃までの種子であることを明らかにしました。

また同時に行われた遺伝子分析は、この古代のナツメヤシが、東の中東地域からやってきたものと、西の北アフリカ地域からやってきたものとの交配によって作られたことを示しました。

これは2,000年以上前のユダヤの農民が、ナツメヤシの品種改良を行っていたことを表す証拠です。

 

ユダヤのナツメヤシの栽培は、ローマ帝国の崩壊後に衰退し、11世紀頃にはわずかに栽培されていた記録があるのみで、それ以降は完全に農園から姿を消したと推定されています。

研究者は2,000年ぶりに芽を出したナツメヤシのなかでも、花が咲くことが期待されているハンナについては、2008年に同じように発見され雄株であることがわかった“メトセラ”と交配させ、子孫を存続させたいと考えています。

研究者の一人で、エルサレムにあるハダサ・メディカルセンターのサラ・サロン(Sarah Sallon)博士は、これは厳密には復活とは言えないとしながらも、古代のナツメヤシは、種子の持つ生命力と寿命を研究するための注目すべきモデルになるだろうと語っています。

 

研究結果はScience Advances誌に掲載されました。

 


 

 

かなで
かなで

2,000年も前の種なのに芽が出るなんてすごい生命力だねー

しぐれ
しぐれ

現代のナツメヤシの種はこの時代のものよりも30%くらい小さいそうだから、生命力の秘密は大きさにあるのかもしれないね

 

References:The Guardian

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