海洋汚染はこんな場所にまで!北極圏のカモメのひなからプラスチック成分が検出される

プラスチックの影響について近年あちらこちらで深刻な報告が挙がっています。

レジ袋を有料化する動きやリサイクルの動きも出てきていますが汚染のスビードはそれ以上に早いため対策が急がれています。

 

海に流れ出たプラスチックは分解の過程でマイクロプラスチックとよばれる小さな破片となりそれらは海洋生物の身体に吸収されていきます。

最近では深海の底でマイクロプラスチックを検出したという話題もありました。

 

そんなプラスチックの悪影響は人間が立ち寄らない場所である北極にも及んでいます。

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北極のカモメのひなからプラスチックの成分を検出

 

photo by Robert Angell, USFWS

カナダの環境省の部門の一つであるCanadian Wildlife Service(CWS)は1947年から渡り鳥や危険にさらされている種の生息地の保護や管理に取り組んできました。

54の野生生物地域と92の渡り鳥の保護区を管理していて生物学者たちが環境についての調査を行っています。

CWSの科学者たちは北極圏に生息する渡り鳥の卵からプラスチックの成分を検出したと報告しプラスチックが生態に及ぼす影響について訴えています。

 

カナダの北極圏にあるプリンスレオポルド島にあるフルマカモメの巣を調査した科学者たちはそこにある卵を調べました。

卵の成分にはプラスチックを柔軟にするために使用されるフタル酸エステル類やホルモンを破壊する化学物質などが検出されました。

 

CWSによると北極圏の鳥の卵からプラスチックの成分が検出されたのは今回が初めてだということです。

 


 

CWSのJennifer Provencher氏は手つかずの環境でこうしたプラスチックの成分が見つかることを長い間心配していたと話します。

それはこれまで北極圏の鳥たちは他の地域の鳥に比べてプラスチックの影響を受けない傾向があったからです。

プラスチックの流入経路は正確にはわかっていませんが、彼らは繁殖のとき以外は海洋で生活するため食事となるイカやエビの摂取が主な原因とみられています。

 


 

またCWSの科学者チームのテストは、親鳥の体内に入り込んだプラスチックの成分が生まれたばかりのひよこに引き継がれていることも明らかにしました。

 

Provencher氏はワシントンで開かれたアメリカ科学振興協会の会議でこれは本当に悲劇的なことだとスピーチしました。

 

この鳥は生まれたときから体内に汚染物質を持っているのです。

 

フタル酸エステル類はプラスチック可塑剤として広く使用されていますが、その成分はホルモンや内分泌系を狂わせる作用があり、先天性欠損症、妊孕制の問題および多数の代謝性疾患と関連しています。

フタル酸エステル類の多くは子供のおもちゃでの使用が禁止されています。

 

2030年までに自然界からプラスチックを排除する

 

 

プラスチックの成分が生物の体内に吸収されることで様々な悪影響を及ぼすことは事実ですが、これにはさらなる追加の作業が必要だとProvencher氏は言います。

 

これらの科学物質が内分泌かく乱物質であることを私たちは知っています。しかしそれらが実際に卵にまで影響を及ぼすのかどうかは知ることができないことです。

 

ひよこの体内に汚染物質を認めることができるのならばその影響は明白なような気がしますが、科学者たちはより多くのサンプルが必要だと考えています。

Provencher氏は他の鳥の集団から多くの同じような事例を発見できれば、プラスチックが生態系に悪影響を及ぼすという考え方について新しい扉を開くことができるだろうと述べています。

 


 

フルマカモメは長命の鳥で40年以上生きる個体もいるといいます。

40年の間で海を取り巻く状況は一変しましたが、彼らの世代交代の遅さがプラスチックの悪影響を断定するのを妨げています。

 

もっとも他の鳥たちについての報告は数多く存在しています。

WWF(世界自然保護基金)のイギリス海洋政策責任者であるLyndsey Dodds氏は、プラスチックを自然界から排除するために早急な行動をとる必要性を訴えます。

 

私たちの使い捨ての文化はプラスチックで自然界を悩ませ、海を窒息させ、野生生物を害しています。世界の海鳥の90%が胃の中にプラスチックの破片を持っています。

 

Dodds氏は2030年までに地球規模でプラスチックを排除する必要があると語りました。

 


 

太平洋を泳いで渡るチャレンジをしたブノワ・ルコント氏は3分に1回の割合でプラスチックに遭遇したと語っています。

 

 

太平洋の大海原でさえ人間の捨てたプラスチックが所狭しと泳いでいるのであれば、そこで生活する鳥や海洋生物が影響を受けないはずがありません。

 

幸い国家レベルでプラスチックを削減しようという動きが出始めています。

日常生活の中に当たり前のようにあるプラスチック類ですが、それがどこから来てどこに行くのか、私たち自身が考えてみる時期がやってきているのかもしれません。

 

 

 

References:TheGuardian

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