米国アリゾナ州の火葬場から基準値を超える放射線が検出されました。
放射性物質は5日前に亡くなった69歳の男性から発生したものと見られ、病院の放射線担当者が火葬場に赴き、詳しい調査を行いました。
放射線は火葬場の建物や使用される機器のほかに、従業員の尿からも検出されています。
亡くなった男性はすい臓がんを患っており、死の直前まで放射線治療を受けていました。
年々増え続けている放射線治療の件数
現代医学には、多くの放射線を使った治療や診断方法が存在しており、それらの使用率は年々増加しています。
2006年からの統計によると、アメリカではこれまでに1860万件、世界全体では4000万件近くの放射線治療が行われています。
また新しい治療法の開発も盛んで、今後さらに多くの患者が被ばくする可能性があります。
シカゴ大学メディカルセンターの核医学およびPET画像の責任者であるダニエル・アッペルバウム氏は、現在の放射線治療について、「数十年前と比べはるかに一般的になった」と述べ、火葬場での放射線汚染の問題は、今後ますます表面化してくるだろうと指摘しています。
症例を報告したメイヨークリニックの医師ネイサン・ヨー氏は、遺体が含む放射性物質について、「火葬した場合、労働者や周囲のコミュニティが被ばくするおそれがある」と述べています。
ヨー氏は被ばくのリスクに対処するには、火葬場に危険性を知らせる仕組みや死亡した患者の放射線レベルの評価といった、「死後管理の徹底」が必要であると指摘しています。
レポートはJAMAに掲載されました。
しぐれ
何となく土葬のイメージがあるけど、アメリカの火葬率は既に50%を超えてるんだって
ふうか
日本は火葬文化だから、対岸の火事では済まされないかもしれないな
Reference: CNN