“ゾンビシカ”に注意!ネバダ州がハンターに対し仕留めたシカをチェックするよう呼び掛ける

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Image by Achim Thiemermann from Pixabay

ネバダ州野生生物局(The Nevada Department of Wildlife)は、地元で活動するハンターに対し、仕留めたシカが感染症にかかっていないかどうか注意を払うように呼び掛けています。

当局が警告している感染症は「慢性消耗病(Chronic Wasting Disease-CWD)」と呼ばれるシカ特有の致命的な疾患で、つまずいたりよだれを垂らすなどの症状のほかに、体重の減少や異常な行動、さらには人間に対して攻撃的になるなど、まるでシカを“ゾンビ”のように変容させる恐ろしい病気です。

慢性消耗病は牛にみられる「狂牛病」と同じようなもので、脳がスポンジ状になり、発症したシカは数日で死に至ります。しかし潜伏期間が長いことから当局は、仕留めたシカが病気に感染していないかを確かめるようハンターたちに強く促しています。

 

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ネバダ州のスティーブ・シソラック知事は今年の5月、州の野生生物を保護するために、ハンターがシカやヘラジカなどの死骸を州内に持ち込むことを禁止する法案を可決しました。

北アメリカで多く見られる慢性消耗病は今のところネバダ州では発症が確認されていませんが、当局は州内の路線の近くに病気の有無を確認するためのサンプルステーションを用意し、シカのハンターたちに立ち寄るよう呼び掛けています。

 

CDC(アメリカ疾病予防管理センター:Centers for Disease Control and Prevention)によると、慢性消耗病が人へと感染するリスクは低いものの、シカと接触するハンターたちが病気にかからないとは完全には言えないとも警告しておりその扱いには慎重さが求められます。

慢性消耗病はアメリカの24の州、227の郡で確認されていて、主にワイオミング州、コロラド州、カンザス州に被害が集中しています。

CDCはシカの肉を食べる前には検査をし、感染している肉は避けるよう推奨しています。また野外で仕留めたシカを調理する際には、病気の発生源である脳や脊髄の取り扱いに十分注意し、適切な器具を用いることが感染の予防につながると述べています。

 


 

日本でも最近はジビエと称して地元の野生生物を狩り現地で食することが増えてきました。

自然の恵みとありがたさについて知るいい機会ですが、野生動物には未知の病気が潜んでいる可能性もあります。

野外での狩りと食事で病気にかからないためには、同伴する専門家や調理方法などについてあらかじめよく知っておくことも必要です。

 

References:CNN