イギリスでハリネズミを保護する活動を行っている「ドーセット哺乳類グループ (Dorset Mammal Group)」は、交通事故に遭い命を落とすハリネズミを救うため、「ゴースト・ヘッジホッグ (Ghost hedgehogs)」と名付けたキャンペーンを開始しました。
キャンペーンは、実際に事故が起きた道路の脇に、幽霊に見立てた白いハリネズミの看板を立て、ドライバーに減速を促そうというもので、家主や土地所有者の許可を受けたいくつかの場所では既に設置が始まっています。
車に轢かれるハリネズミの数は年々増加しており、ドーセット哺乳類グループは、地元の小さな村の1つの道路だけで、年間20匹以上が犠牲になっていると報告しています。
ハリネズミに関する本の著者でキャンペーンを支援しているヒュー・ワーウィック氏は、「国のお気に入りの動物であるハリネズミは、絶滅の危機に瀕しているとして、イギリスのレッドリストに追加された」と説明し、これは悲劇的なことであると強調しています。
道路脇に建てられたハリネズミの白い看板 (Photo: Colin Varndell)
農村地域のハリネズミは今世紀に入って半減し、町や都市部では30%減少しています。
イギリスのハリネズミ全体の個体数は、1950年以降で95%以上減少したと考えられています。
ワーウィック氏は、「ハリネズミは自然界との接点を提供してくれる動物であり、私たちは彼らを助ける必要がある」と述べています。
ハリネズミは住宅の庭や周囲の緑地に現れ、餌を求めてあちこちに移動します。
しかし現代の家にはフェンスがあるため、それが移動の妨げとなり、交通事故につながっています。
「ゴースト・ヘッジホッグ」キャンペーンでは、こうした状況を改善するために、新築で建てられる家のフェンスに、ハリネズミが通過できる小さな穴を開けるよう求める活動も行っています。
現在100万人を目標にオンラインで署名を集めており、達成した場合、嘆願書として政府に提出されます。
またドーセットをハリネズミにとって最も住みやすい地域にするため、「ハリネズミ病院」の建設も計画しています。
最近は野生動物だけが通れるトンネルを作るケースも増えてきてるよ
土地を開発するときには動物がいることも考えてほしいね
Reference: The Guardian