深セン市が犬と猫の肉の販売を禁止すると発表、新型ウイルス対策の一環

動物
(Ancaro Project/Unsplash)

中国の深セン市は5月1日から、野生動物の取引と消費の禁止の対象に犬と猫の肉も含めると発表しました。

中国は武漢から始まった新型コロナウイルスの流行が、現地の野生動物を扱う市場と関わりがあると指摘されたのを受け、2月から国内の野生動物の取引と消費を禁止する措置をとっています。

 

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中国では様々な動物の肉が市場に並びますが、犬や猫も例外ではなく、特に犬については年間で1,000万匹が食肉として処理されています。

動物愛護団体のヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル(Humane Society International-HSI)によると、年間で3,000万匹の犬が食肉としてアジア全域で殺されています。

深セン市の担当者は今回の決定について、「ペットとしての犬や猫は、他の全ての動物よりも人間と密接な関係を築いており、それらの動物の食肉市場での取引を禁止することは、先進国や香港、台湾では一般的な慣行です」と述べ、この禁止措置は人類の文明の要求と精神に応えるものであると強調しました。

 

HSIは今回の深セン市の決定を歓迎しています。

HSIの中国政策スペシャリストである、米国ヒューストン大学のピーター・リー(Peter Li)博士は、「この決定は、毎年1,000万匹の犬と400万匹の猫が殺されている残忍な取引を終わらせるための、重大な分岐点になるかもしれない」と述べています。

 

一方で中国政府は、コロナウイルスに感染した患者を治療するという名目で、国内でのクマの胆汁の使用を許可する決定を下しています。

クマの胆汁は長い間、薬や漢方薬の材料として利用されてきましたが、生きている熊の消化液を採取するという残酷さから、動物愛好家からの激しい批判を浴びています。

有効成分であるウルソデオキシコール酸については、肝疾患を治療するために使用されるケースがあるものの、コロナウイルスに対して有効であるという証拠はありません。

アジア地域での動物虐待を終わらせるために活動している慈善団体、「アニマルアジア財団(Animals Asia Foundation)」のブライアン・デイリー(Brian Daly)氏は、「野生動物に由来すると考えられている致命的なウイルスと戦うために、クマの胆汁のような野生動物由来の製品に頼るべきではない」と述べ、当局の決定の矛盾を指摘しています。

 

 

 


 

 

かなで
かなで

犬や猫を食べるなんてひどいよー!

せつな
せつな

犬と猫の取引を禁止しながらクマの胆汁の取引は再開させる……まったく理解不能……

 

References: BBC,AFP