ハードの垣根を越えたゲームプレイを可能にするクロスプレイについては各ハードメーカーの思惑がありつつも徐々に浸透してきている感があります。
クロスプレイは友達と違うハードを持っていても同じゲームをすることができますし、対戦ゲームならば参加人数が増えることで恩恵を得ることができます。
またゲームを制作する側にとっても顧客の分散を防ぐことで利益につながる可能性があります。
一見ユーザーにもメーカーにもいいことづくめのクロスプレイですが、唯一難色を示しているのが現世代の覇者PS4を擁するソニーです。
先日は複数のデベロッパーが自分たちのゲームをクロスプレイのラインナップに加えるようソニーに働きかけたという話題がありました。
彼らがこの行動に至った背景にはソニーのクロスプレイ採用タイトルに関する基準の不明確さがあります。
現在PlayStationでのクロスプレイはFortniteやRocket Leagueのような大規模なゲームでしか許可されていない状況です。
こうした後ろ向きとも見えるソニーのクロスプレイへの姿勢に対し、War Thunderでおなじみのロシアの開発会社Gaijin Entertainmentは、クロスプレイはゲームの未来であるとしてその重要性を強調しました。
GamingboltとのインタビューでGaijin EntertainmentのボスAnton Yudintsev氏は、クロスプレイはゲーム体験をよりよくすることにつながるとしてソニーに変化を求めています。
そしてソニーが現在クロスプレイに前向きでない理由を持っていることを理解しているとしながらも、それが一般の人達にとって共有されていないのはとても残念なことだと語りました。
一方でYudintsev氏は、先日SIEワールドワイドスタジオのボスであるショーン・レイデン氏がGameInformerとのインタビューの中でクロスプレイに対して前向きであると語ったことを挙げ、将来的なクロスプレイの全面的な解禁に期待を寄せています。
Yudintsev氏はクロスプレイにはいくつもの利点があると語ります。
なかでも対戦型のマルチプレイヤーゲームには大きな利点があると説きます。
クロスプレイは参加者を増やしプレイヤーの待ち時間を大幅に減らし他のハードを持つ友人と遊ぶことができます。これらの全てはよりよいゲーム体験といえます。ですからクロスプレイはゲームの未来だと確信しています。
またYudintsev氏はクロスプレイ導入に対する反対意見として挙げられるパッドのプレイヤーがマウスのプレイヤーに劣るという意見について、それはPCとの間でだけの問題であり、またゲームのジャンルによっては異なることがあるとし大きな問題とはならないと述べました。
ソニーは自分たちのネットワーク内に十分なプレイヤーが存在しているためあえて外壁を崩す必要がありません。
しかしハードやプレイヤーの環境が目まぐるしく変わっていく時代において頑ななままでいることは思わぬ痛手を被ることにつながりかねません。
幸いSIEのショーン・レイデン氏はPS4の持つアドバンテージをよく理解しています。
今年から来年にかけて新しいハードが登場するという噂もありますが、クロスプレイの動向もプレイヤーや小さい開発会社にとっての大きな関心事になっていきそうです。
Source:Gamingbolt