ゲームで長寿を目指す!平均年齢67歳のe-sportsチーム“Silver Snipers”

ゲーム
Image:CNN

最近何かと話題になるe-sports界隈ですが、スポーツと銘打つからには反射神経や判断力が問われそうな気がして、どこか若者だけの世界に感じてしまいます。

しかし世界は広いようで、年齢などお構いなしのスーパー高齢者集団が若者に負けじとe-sportsに参加しています。

 

日本ではいまだゲームは子供のものだという先入観が根強いですが、これはただの遊びではなく長生きにつながるものだと知ったらお偉いさんたちの見る目は変わるのでしょうか……。

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平均年齢67歳!チーム名は「Silver Snipers」

 

スウェーデンのストックホルムを拠点に活動する平均年齢67歳のe-sportsチーム「Silver Snipers」は人気FPS「Counter-Strike」ではちょっとした有名チームです。

 

Counter-Strike(カウンターストライク)は対テロ特殊部隊とテロリストの戦いをテーマにしたFPS(1人称視点)対戦ゲーム。
20年近い歴史があり毎年各地で賞金付きのワールドツアーが行われている。

 

パソコンメーカーlenovoの支援を受けた5人からなるチームは、トーナメントのため世界中を旅し対戦をしてきました。

 

それぞれが独特の通り名(プレイヤーネーム)を持つ5人がこちらです。

 

Ingerさん(66)「Trigger Finger」Image:CNN

 

Öivindさん(75)「WINDY」Image:CNN

 

Abbeさん(75)「BIRDIE」Image:CNN

 

Per-Arneさん(57)「YOUNG GUN」Image:CNN

 

Monicaさん(62)「TEEN SLAYER」Image:CNN

 

そしてこの精鋭たちを支え指導するのが、Counter-Strikeで数多くの世界チャンピオンに輝いたTommy“Potti”Ingemarsson氏です。

 

チームは去年の秋の世界ツアーでパリとフィンランドを巡り、次回開催の南アメリカ大会へ参加するために日夜練習に励んでいます。

 


 

大会の模様 Image:CNN

 

メンバーのIngerさんはe-sportsと聞いて、若者がただ座って一晩中ゲームをプレイしているものだと思ったといいます。

しかし参加してみてそれが間違いだとわかりました。

 

彼女とチームは予想外の歓迎を受け、また熱心な応援をするコミュニティの存在を知りました。

 

それはとても素敵なことです。普通だったらどっかいけ!と言われるところですが、彼らは“あなたたちはとてもクールだ”、“あなたは世界一クールなおばあちゃんだ”って言ってくれるんですから。

 

メンバーの多くがそれぞれの事情を抱えていますが、お互いを知り親密な関係にあることがチームの結束力につながっています。

 

また彼女とチームは、ファンの期待に応えるためにトレーニングが必要なことを知っています。

 

公式サポーターであるlenovoのサイトにはSilver Snipersのメンバーがゲームで勝利するために体力づくりをしている動画があります。
腹筋や腕立てはもちろん握力増強や重量挙げなどのメニューもあってとても“シニア”世代の運動メニューとは思えないところがすごいです。(Lenovo-We Are The Silver Snipers

 

しかし企業の全面的なバックアップがあるとはいえ、いわゆるお年寄り世代が若者に混じってゲームをするというのは単なる話題作りや広報活動の一環なような気もしてしまいます。

 

それとも何か健康や長生きにつながるような具体的な効果がゲームをプレイすることに隠されているのでしょうか。

 

ゲームが脳に与える好影響

 

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の神経科学者Adam Gazzaley博士によると、あるタイプのゲームには脳を活性化する作用があるといいます。

 

没入型の方法でプレイヤーを参加させるゲームは脳のネットワークを活性化することができます。神経の可塑性によって時間とともに機能が改善していきます。

 

神経の可塑性(かそせい)とは外部の刺激によって神経系が活性化することで、記憶力がよくなったり、複雑な動作ができるようになったり、失われていた機能が回復したりすること。

 

Gazzaley博士によると、高齢者が新しいテクノロジーに触れそれをうまく利用できたときは、彼らの脳が活性化し物事に対して楽観的になる、といいます。

 

年を取ったからといって新しいものを避けるのではなくどんどん吸収していくことが脳にとって刺激になることを示しています。

 


 

このような変化はメンバーのIngerさんも感じています。

 

彼女は常に自分の脳が何をしようとしているのかに注意を向けていると語ります。

 

それと同時に手にも大きな注意を払います。頭で考える前に手が動くように調整をする必要があります。

 

思い出すべきなのは、Silver Snipersがプレイしているゲームが動きの激しいFPSゲームであるという点です。

敵の出現を確認してからマウスを動かしていたのでは良い成績は残せません。

 

Silver SnipersのK/Dレシオ Image:Lenovo

 

研究が示すように、繰り返し練習することで年齢に関係なくゲームをプレイでき、またそれが脳を活性化するという好循環を生み出す――彼らに対する熱狂ぶりは人間の可能性への称賛なのかもしれません。

 


 

といってもチームのメンバーは、集中力を高め頭脳を活発に保ち、そして社交的で楽しい時を過ごすことが全てだといいます。

 

Ingerさんは鏡を見て自分にしわがあることを認めます。

 

でも全然年老いた気分ではありません。いつも通りです。そして笑いすぎたときは自分が25歳になったような感じがします!

 

ゲームで健康に長生きできるのならこんなにいいことはありませんね。

 


 

lenovoのSilver Snipers公式サイトには「私たちの使命はゲームを違うものにすること、そして年齢が単なる数字であることを示すこと」とあります。

 

平均年齢67歳のチームメンバーがこんなに元気なのですから、もう年なんか関係なく笑って生きていければそれが結局ハッピー、ということなのかもしれませんね。

 

Silver Snipers: Gamers with an average age of 67 – BBC Stories

 

 


 

 

かなで
かなで

あー!また負けたー!

せつな
せつな

フフ、まだまだ私の足元にも及ばない

しぐれ
しぐれ

もうこんな時間だよー、そろそろ寝ないと

せつな
せつな

姉さん、ゲームは脳にいいという研究結果が出ています

かなで
かなで

そうそう!だからもう一回勝負ー!

しぐれ
しぐれ

脳にいいってほんとに?……じゃあわたしもやろうかな~♪

 

 


 

平均年齢67歳のゲームチームSilver Snipersの話題でした。

 

 

 

 

References:CNN,Lenovo