Microsoftのゲーム部門のボスであるPhil Spencer氏はFortune Magazineとの長いインタビューの中で、初期のXbox One事業があまりうまくいっていなかったことを認めました。
具体的には、ファーストパーティー産のゲームが、ライバルでもあるPlayStation陣営と比べ少なかったことを挙げ、今後様々な改善を行うことを約束しています。
Xbox Oneは前世代機であるXbox360の好調を受け、ゲーマーから大きな期待を寄せられていましたが、初期の本体にはKinectが同梱されており、そのせいで肝心の本体スペックがPS4よりも劣ってしまいました。
Kinectを廃した本体が登場するのを待たずに多くのゲーマーがPS4に移行したのは言うまでもありません。
その後、高スペックのXbox One Xが登場しますが、Spencer氏はXboxのライブラリにファーストパーティー産のゲームを加えることの重要性を強調し、また近い将来のクラウドベースのゲーム環境についても、幅広い投資を続けることが会社やゲームコミュニティにとって良い結果をもたらすことになるだろうと述べました。
“サービスとしてのゲーム”の重要性とクラウドベースのゲーム体験
© 2019 Microsoft
Spencer氏はインタビューの中で、「ゲームをプレイする人たちはダッシュボードを見るために電源を入れているのではない」と述べ、暗にここ数年のXboxが魅力的なファーストパーティー産のゲームライブラリを持っていなかったことを認めました。
そのうえで、昨年買収したいくつかのデベロッパーの例を挙げたり、また新しいスタジオ(The Initiative)の設立など、現在は積極的にファーストパーティー産のゲームに投資しており最善をつくす努力をしていると強調しました。
またSpencer氏はインタビューの中で、“サービスとしてのゲーム”の重要性や、それを支えるためのクラウドインストラクチャーについても言及しています。
Spencer氏はこれまでのゲームハードの買い替えサイクルを例に挙げ、「新しいハードが出るたびに消費者が古いゲームをクローゼットにしまうようなことは、これからのゲーム産業にとってふさわしいものではない」と述べました。
そしてBlizzardの人気MMORPG「World of Warcraft」が15周年を迎えたことを挙げ、自分たちの役割は、素晴らしいフランチャイズにお金を投資し、それをできるだけ長い間存続させることだと語りました。
またXbox Liveを軸としたクラウド方面の環境が整いあらゆるデバイスからゲームにアクセスできるようになれば、サービスとしてのゲームという、始まりも中間も終わりもないゲーム体験が提供できるようになるとも語り、現在準備が進められているクラウドサービス「Project xCloud」が今後10年間にわたり構築される予定であることも明かしました。
(同時にProject xCloudがコンソールやPCにとって代わるものではないとも付け加えています)
Xboxには「Halo」や「Gears of War」といったファーストパーティー産の魅力的なゲームがありますが、ゲーム部門の最高責任者がこれらのゲームの数や質についてネガティブな言及をするのはあまりないことです。
次世代機である“Xbox Scarlett”については2020年のホリデーシーズンの発売が予定されています。
あと数年の間に、従来のコンソールと、Googleの「Stadia」のようなデバイスを選ばないゲーム体験とが混在する環境が訪れるのは間違いありません。
Xboxの新しいハードとProject xCloud、そして強化されたファーストパーティー製のゲームがどんな楽しさを提供してくれるようになるのか楽しみですね。
Source:wccftech