カナダのサーモン漁師のチームは、生涯で初めて見る光景に目を奪われていました。
カナダのバンクーバー島の北西端沖では、動物による異色の戦いが繰り広げられており、チームはこれにどう対処するのかについて5分間話し合うことを余儀なくされました。
水面に浮かんだ赤い「タコ」は、どういうわけか「ハクトウワシ」をがっしりと捕まえていました。
Saving an eagle from an octopus
チームは自然が起こしたレアな戦いを傍観すべきかで迷いました。
漁師のジョン・イレットさんは「私たちは干渉すべきかどうか確信が持てなかった」と状況を振り返りましたが、結局チームはタコにつかまったハクトウワシを助けることで意見が一致しました。
干渉すべきかどうか迷いました。それは母なる自然であり適者生存だからです。しかしタコがハクトウワシを溺れさせようとしているのを見るのは心が痛むことでした。
イレットさんと同僚は、小さなフックが取りつけられたポールを使い、タコをボートに引き寄せました。
また別の一人が救出の様子をカメラに撮りました。
イレットさんは、タコを引き寄せることでハクトウワシが逃げる隙を作ることができたと語ります。
そして自身の20年に及ぶ海での仕事の中で、今回の光景が最もクールなものとしてランクインするだろうと付け加えました。
撮影された映像はSNSを通じて世界に拡散されました。
イレットさんは映像のコメントの中に、ハクトウワシを助けることに対する批判的なものがあるのに気づきました。
彼は、その場にいたことが救助を決めたきっかけであり、外から傍観するのとでは感覚が違うと指摘します。
私は人間であり、鳥に対して哀れみを感じました。私は間違っていますか?
イレットさんたちの行動を非難する人たちの中には、タコの立場にたっていないと考える人もいます。
しかしハクトウワシとタコの両方とも命に別状はなく、一日の終わりにはそれぞれの道を再び歩み始めました。
ハクトウワシは木で10分程度休んだ後飛び立っていきました
イレットさんは「私たちは自分たちの行動が良いことだったと感じている」と語っています。
タコとハクトウワシが、どういう過程を経て接触することになったのかはわかっていません。
ハクトウワシはアメリカの国鳥であり、近年の大幅な数の減少により、一時期はレッドリストの「絶滅の危険のある種(Endangered)」に分類されていました。
その後、保護活動などにより個体数が増えたことで、現在は絶滅のおそれの少ない種に分類されています。
しかしハクトウワシは現在でも扱いに慎重さが求められている種で、「渡り鳥保護条約法(The Migratory Bird Treaty Act-MBTA)」や「ハクトウワシ・イヌワシ保護法(Bald and Golden Eagle Protection Act)」によって保護されています。
MBTAの下では、ハクトウワシに危害を加えると最高で2年の懲役刑か250,000ドルの罰金が科せられます。
ハクトウワシはどうやってタコにつかまったのかな?
漁師さんが通りかかってよかったー
References: CNN