希少なカメ「シャンハイハナスッポン」をベトナムの湖で発見 絶滅回避に希望

動物
(Credit: WCS Vietnam)

ベトナムの湖で絶滅寸前の希少なカメが見つかりました。

ハノイのドンモ湖で発見されたのは、「シャンハイハナスッポン」と呼ばれるカメです。

シャンハイハナスッポンは、中国東部と南部、およびベトナム北部の淡水に生息する固有種で、現時点で数匹しか生存が確認されていません。

飼育下では中国の蘇州動物園にペアがいましたが、2019年にメスの個体が死亡し、種としての存続は絶望的になったと考えられていました。

 

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シャンハイハナスッポンのメスを発見 他の個体が生息している可能性も

 

ベトナム野生生物保護協会とアメリカの保護団体タートル・サバイバル・アライアンスは、2020年の10月、ドンモ湖の1400ヘクタールもの領域をくまなく捜索し、シャンハイハナスッポンを発見しました。

この湖では度々カメの目撃情報がありました。

 

見つかったのは健康なメスで、体長が1メートル、体重が86キロでした。

 

 

調査チームはカメから血液サンプルを採取し、追跡タグをつけたうえで湖に放流しました。

その後、DNAの分析により、この個体がシャンハイハナスッポンであることが確定しました。

ベトナム政府に保全プログラムの助言を行ったタートル・サバイバル・アライアンスのアンドリュー・ウォルデ氏は、「これは世界のカメの保護活動にとって、過去10年で最高のニュースです」と述べています。

 

今回見つかったのはメスで、また非常に大きく健康であったため、湖には別の個体も生息している可能性があります。

また近くにあるスアンカイン湖の調査では、カメを見つけることはできなかったものの、水のサンプルから、シャンハイハナスッポンのDNAが検出されています。

 

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シャンハイハナスッポンは2013年に、ベトナムの法的保護の対象になりました。

しかしその時点で既に多くの個体が自然環境から姿を消していました。

調査を行ったベトナム野生生物保護協会のディレクター、ホアン・ビック・トゥイ氏によると、これまで国内のシャンハイハナスッポンは、食肉や薬のために乱獲されてきました。

肉は家族で消費するだけでなく、親せきや近所の人にも配られました。

また卵は、下痢の治療に効果があると信じる中国の一部の人に売られました。

トゥイ氏は今回の発見について、「メスが見つかったことは、この種に生き残りのチャンスがあるという意味で希望を与えてくれる」と話しています。

 

調査チームは2021年の春に、水位の下がった湖を再び捜索する予定です。

 


 

 

かなで
かなで

シャンハイハナスッポンは水底にいるのが好きでなかなか水面には上がってこないんだって

しぐれ
しぐれ

もう一つの湖にもきっと生息してるんじゃないかな

 

Reference: The Guardian