“超聴覚”を獲得、暗闇に閉じ込められたネズミが持つ驚きの適応力

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実験動物として人間に多くの益をもたらしているネズミは、その知能の高さから時折研究者たちを驚かせます。

最近行われた研究で、ネズミには暗闇に適応して感覚器官を発達させる能力があることがわかりました。

視覚を失う代わりに聴覚をより鋭敏に研ぎ澄ますのは、彼らの動物としての本能です。

ネズミの聴覚能力の向上は、将来聴覚障害で苦しむ人たちの新しい治療オプションの開発につながる可能性があります。

 

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大人のネズミでも環境に適応し感覚を発達させることができる

 

メリーランド大学の生物学者バトリック・カノルド氏たちの研究チームは、過去のネズミに関する研究において、ネズミの感覚器官の一部を制限すると別の感覚が研ぎ澄まされることを発見しています。

今回はその現象をより正確に実証するために、15匹のネズミを使い、彼らを暗闇の中に1週間閉じ込め視覚を奪う実験を行っています。

15匹のうちの6匹は暗所に置かれ、他の9匹は対照群として通常の生活をします。

その結果、1週間後には、暗闇に置かれたネズミは周囲の音に敏感になり、“超聴覚能力”を獲得していることが示されました。

超聴覚を獲得したネズミの脳のニューロンは、音を捉えるのに都合のいい形に変化していました。

さらに脳の調査をすると、ニューロンの大部分は高音域と低音域の聞き取りに割り当てられ、中音域はそれらに比べて小さい変化しかないこともわかりました。

暗闇のネズミは外の脅威に備えるため、視覚に頼るのをやめ、聴覚を短時間で発達させたと考えられます。

カノルド氏は「この研究は動物の学習機会が閉じられた後でも、視覚の操作によって聴覚に影響を与えることができることを示すものだ」と語っています。

 

Image by Sapto Cahyono fromPixabay

 

人間を始めとした動物は、子供のある一定時期に大きく感覚器官を発達させ、以後劇的な変化は起きないものと考えられています。

しかしこのネズミたちは体が大人になった後でも、周囲の環境に応じてニューロンを変化させ、新しい聴覚能力を獲得することができました。

こうした事実は将来、聴覚障害を持つ人にとって恩恵となる可能性があります。

 

 

 


 

暗闇に適応したネズミの研究は小規模なものであり、この結果がすぐに医療の可能性を広げるわけではありません。

そもそもなぜ成長を終えたネズミが聴覚器官を発達させたのかについては、研究者たちも頭を悩ませています。

カノルド氏は「ネズミにこれらのパターンが見られる理由はわからない」としながらも、暗闇の中のネズミが、周囲の音――雑音や仲間の足音――に注意を払っていることが関係しているのではないかと推測しています。

 

研究チームは、音のどの領域が暗闇の中のネズミに最も大きな影響を与えているのかについて引き続き調査する予定です。

 


 

 

かなで
かなで

極端な話、人間もその気になれば、空を飛んだり目からビームを出したりできるってことだよね!楽しみー!

しぐれ
しぐれ

たぶんそれは無理だと思うよ……

 

References:University of Maryland

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