オーストラリアの研究者は犬を飼っている家の子供がそうでない子供と比べ、社会的にも精神的にも幸福であると報告しています。
西オーストラリア大学と、子供の健康や福祉を改善するために活動しているTelethon Kids Instituteとの共同研究では、2歳から5歳までの子供を持つ親を対象に広範な調査を行っています。
2015年から2018年にかけて実施された、子供の身体活動や社会的および感情的発達に関するアンケート調査には、1,646世帯の親が回答しました。
このうち犬を飼っていた家庭は686世帯(42%)でした。
収集された子供の睡眠習慣やテレビを見る時間、親の教育方針などのデータから研究者は、犬を飼っている家庭の子供がそうでない家庭の子供と比べトラブルを起こすことが少なく、また思いやりのある行動をとる傾向にあると結論づけました。
「Pediatric Research」に掲載された研究の著者の一人である西オーストラリア大学のヘイリー・クリスチャン准教授は、「私たちは、犬を飼うことが幼い子供たちの健康に何らかの恩恵をもたらすと期待していたが、実際に多くのポジティブな行動や感情に関連していたことにはとても驚いた」と話しています。
分析結果は、犬が家にいるというだけでも子供に良い影響を及ぼすことを明らかにしています。
犬を飼っている家庭の子供はそうでない家庭の子供よりも感情面や社会的交流の問題を抱える確率が23%低く、反社会的な行動をする割合も30%低下しました。
また共有や思いやりといった行動は、犬を飼っていない子供よりも34%多く見られました。
さらにデータは、犬との接触の機会が増すほど子供の成長や行動に良い影響を与えることも示しました。
週に1回以上犬と散歩をした子供は1回未満の子供と比べて、社会的、情緒的発達がより健全であり、また週に3回以上犬と遊んだり散歩をした子供は3回未満の子供と比べて、思いやりのある行動をとる傾向が強くなりました。
クリスチャン准教授は、「この結果は、犬の所有が子供の発達と幸福に役立つ可能性があることを示している」と説明し、「子供とペットの愛着の強さは一緒に遊んだり歩いたりする時間に反映され、それは社会的、情緒的な発達を促進する」と付け加えています。
この研究は、犬を飼うことと子供の発達との間にあるメカニズムや因果関係については特定していません。
研究者は今後、犬以外のペットでも同じような調査を行いたいとしています。
猫とか鳥とかウサギだとどうなるのかな?
多分どんな動物でも子供にとっては大事な友達になるんじゃないかな
References: EurekAlert